神々の黄昏的な日記です。
プロフィール

グリーン

Author:グリーン
島根県生まれ
幼少の頃にイタリアの
ジェノバで育ち
現在は大阪市在住の
デザイナー

血液型:A型

座右の銘:
チャンスは最大限に生かす。
それが私の主義だ!

尊敬する人:魚紳さん

好きな食べ物:カレーライス

趣味:
テニス&ニオイガメ
ツーリング(FZR250R)

宮本武蔵のように勝ち
戦にしか挑まないタイプです。

こんなオレへの
ファンレターはこちら!
greenblue119@yahoo.co.jp


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今年最後のブログですの巻き!


ど~も~、
笑ってはいけないグリーンで~す。
本日の日記ですが。

今年ももう終わりですね。
みなさんの一年はどうでしたか?

オレちゃんは先日呪いのビデオを見てから
携帯電話がクラッシュしてしまい
にっちもさっちもいかず
携帯電話屋へ走り回っていて
慌ただしい年末でした。。。

心霊的な出来事は他にもあったんですが
ここでは触れないようにしておきます。(泣)

本年もこの箸にも棒にもひっかからない
ブログを見ていただきありがとうございました。

鬼の目にも涙チックな感じで
ぶっ飛ばしていくよってに
来年も「ぐりろぐ」をどうぞよろしくお願いします。
m(_ _)m


※写真で一言。
「来年もよろしくっ!」

0b1a6d27.jpg


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2008⁄12⁄31 13:10 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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2008重大ニュース(海外編)の巻き!


ど~も~、
グリ円生活で~す。
本日の日記ですが。


さてさてさてさて

今年も色んな海外の事件がありましたね。

そんな今日は
グリーンが選ぶ2008 重大ニュース(海外編)です。


1位:中国人によるチベット人大虐殺
   (今年一番怒った出来事です)

2位:北京五輪開幕。口パク.CG.民族偽装などで
   嘘つき国家とレッテルを貼られる
   (某国にはもう呆れてものが言えません)

3位:民主党オバマ大統領誕生
   (これで日本は終わりです)

4位:四川大地震 死者不明者9万人以上
   (しかしチベット人に対しての救済はなしです)

5位:ソウルの日本大使館前に集結した韓国デモ隊、
   「アキヒト日王」(天皇陛下)の写真を燃やして抗議
   (マジ戦争やんのか?かかってこいや、
    こっちは志位代表がいてるんや!)

6位:「日本のモンスター親の圧力で学芸会で白雪姫25人登場」
    記事、英米でも反響 「アメリカみたい」「共産主義だ」
   (マジ日教組は日本の恥知らずだな)

7位:北方領土を「日本領」と記載プーチン首相の公式サイトで
   (これでも日本の政治家は動かない・・・)

8位:金正日総書記、脳梗塞で重体
   (半身不随だそうで、後継者はどうなんねや?
    マジ拉致被害者を返せコノヤロー!)

9位:尖閣諸島沖で中国船が領海侵犯、日本遺憾の意発動
   (でたー、日本お得意の遺憾の意発動!)

10位:インドムンバイで同時テロにより日本人2名死亡
   (ちょっと・・・)


11位:韓国デモ隊、日本大使館前で“日本の国鳥キジ”を
    ハンマーで叩き殺して気勢…竹島問題で
   (野蛮人ここにあり!キジを殺してなんになる?)

12位:豊後水道付近日本領海内で海上自衛隊イージス艦が
    国籍不明潜水艦を発見・追尾するも見失う
    中国側はクジラと主張
   (おっきいクジラさんだね)

13位:SA州で娘が実の父の子供を出産
   (鬼畜とはこういう事を言うんやろな)

14位:“中国のミルクは安全!”と英閣僚が飲んでアピール→
    就任当日に腎臓結石で入院
   (だから信用しちゃいけないって)


15位:ハロウィンでお菓子をもらいに近所の家を訪ねた少年
    ドア越しに20発撃たれ死亡
   (昔日本人留学生も殺されたな~)

16位:ロシアと親欧米国グルジアが戦争に!
   (ロシアから天然ガスを輸入しているので
    何も言えない弱腰EU諸国)
    

17位:サンフランシスコで男女混合マスターベーション祭り開催
   (グリーン、渡航費が捻出できず涙・・・)

18位:プーチン首相野生のトラの襲撃からカメラマンを救出
   (マジかっこいいいぞ元KGB)

19位:【韓国】ソウル最古の建物「南大門」が火災で全焼、
    完全崩壊。何者かが放火か!
   (いつも火遊びばっかりしてるからだって)

20位:「韓国は恥知らず」「日本の竹島奪還を支持する」
    中国ネットで怒り爆発…五輪開会式の
    リハーサル映像を韓国が放映
   (お願いですから日本を巻き込まないで)


※写真で一言。
「アニキ、もうええからコッチおいで!」

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2008⁄12⁄30 16:58 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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2008重大ニュース(国内編)の巻き!


ど~も~、
警視庁グリーン4時で~す。
本日の日記ですが。


さてさてさてさて

今年も色んな事件がありましたね。

あんな事件にこんな事件
はらわたが煮えくりかえったりしなかったり。

そんな今日は
グリーンが選ぶ2008 重大ニュース(国内編)です。


1位:中国製冷凍餃子などを含む中国産食中毒事件
  (職の安全崩壊はすべてはここから)

2位:秋葉原殺傷事件 それにより歩行者天国閉鎖
  (あの映像はショッピングやったにゃ~)

3位:ゲリラ豪雨による各地で記録的被害
  (どっかのアナウンサーがゴリラ豪雨って言ってた)

4位:世界同時景気低迷で各地で倒産や派遣切り
  (マジ景気をなんとかしてくれ~)

5位:中山元国土交通省と橋下知事による日教組はクソ発言
  (神発言、グリーンは応援しています)


6位:田母神論文により左翼連中大騒ぎ
  (あの論文はすべてではないですが支持します)

7位:北京五輪の聖火各地で波紋や暴力行為相次ぐ
  (あの傍若無人ぶりには国家の体質が表れています)

8位:元厚生事務次官襲撃事件で男が警視庁に出頭
  (言えないけどこの事件はすごいメッセージがあるんよ)

9位:千葉女児殺害事件で21才無職男逮捕
   部屋にはプリキュアなどのポスターあり
  (・・・・・。)

10位:福田総理突然の辞任 麻生首相誕生
   (麻生ちゃんには拍子抜け)


11位:taspo開始で町のタバコ屋が消える
  (あんな個人情報の固まりにオレは屈しないぞ)

12位:船場吉兆の「食べ残し使い回し」
    女将記者会見で大恥
   (久々に面白いコントを見ました。)

13位:68歳男、病院で灯油撒く→ライター投げる→警官
    空中でライターを蹴飛ばす
   (漢、ここにあり!かっこよすぎ)

14位:三笠食品他「事故米」を食用に転売
  (鬼畜だな)

15位:水野晴朗.赤塚不二夫.フランク永井.原西おかん
    川田亜子.飯島愛.ポールニューマン.亡くなる
   (他にもいますが、ココの方達は特にマジショックでした)


16位:公務員502人タクシー接待問題を始め
    各地の公務員による不祥事が横行する
   (公務員の不祥事とゴキブリは駆除しても消えないね)

17位:「ババア、どっか行け」生徒が閉めたドアで女性教諭が
    指切断の重傷 教委は「生徒に口頭で注意した」…堺市
   (堺市は平和宣言した腰抜けな町です)

18位:猫を助けたい、火事の中飛び込んだ大学生死亡
   (漢、ここにあり!全オレ号泣)

19位:倒産した八王子自動車学校の債権者説明会で
    怒号が飛び交いネットで大騒ぎ
   (これはちょっとひどすぎ、怒るのもわかるけど・・・)

20位:気持ち悪い「せんとくん」の対抗キャラ、
   「まんとくん」「なーむくん」登場
   (頭にトナカイの角があるせんとくんより
    グリーンはまんとくんを全面支持します)


では明日のブログは
海外がらみの2008重大ニュースをやります。


※写真で一言。
「おじさんビスケットもってない?」

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2008⁄12⁄29 11:36 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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2008ドラマ視聴率ランキングの巻き!


ど~も~、
グリ円生活で~す。
本日の日記ですが。

年末なので色んなランキングなどを一つ。

2008ドラマ視聴率上位20位

1位:篤姫 29.2

2位:CHANGE 27.4

3位:ごくせん 26.4

4位:24時間テレビドラマスペシャル
   みゅうの足(あんよ)パパにあげる 25.6

5位:ラスト・フレンズ 22.8


6位:流星の絆 22.6

7位:薔薇のない花屋 22.4

8位:土曜プレミアム・SP
   スペシャルアンコール特別編 21.5

9位:コードブルードクターヘリ緊急救命 21.2

10位:2夜連続ドラマスペシャル
   のだめカンタービレinヨーロッパ 21.0


11位:土曜プレミアム
   ガリレオΦエピソードゼロ 20.8

12位:相棒 20.7

13位:土曜ワイド劇場特別企画
   相棒 劇場版公開記念スペシャル 20.6

14位:太陽と海の教室 20.5

15位:特命係長只野仁08スペシャル 20.2


16位:フジテレビ開局50周年記念ドラマ
   風のガーゼン 20.1

17位:斉藤さん 19.6

17位:テレビ朝日開局50周年記念
   ドラマスペシャル告知せず 19.6

19位:ROOKIES 19.5

20位:SP(エスピー) 18.9


オレほとんど見てね~や。


※写真で一言。
「そこはアカンって!」

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2008⁄12⁄28 11:27 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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今年最後の星占いの巻き!


ど~も~、
グリせんで~す。
本日の日記ですが。

それでは今週もいってみましょうか
久々のぐりろぐの週末占いカウントダウン!

☆統計学と動物的直感によるグリーン先生の星座占い☆


1位:山羊座
欲しい物が安く手に入る休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「PSP」


2位:魚座
用事を頼まれそうな休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「ちくわ」


3位:牡牛座
なかなか自分の時間が取れない休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「リュックサック」


4位:蟹座
精神的なことに興味を持つ休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「ピルケース」


5位:蠍座
刺激的な出来事が起こる休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「夏目ナナのAV」


6位:射手座
はっきりしない性格でトラブルを招く休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「方位磁石」


7位:乙女座
悪印象が長引きそうな休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「おーいお茶」


8位:牡羊座
人間関係に一波乱がありそうな休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「壊れかけのラジオ」


9位:双子座
自分勝手な言動を取り一波乱おきる休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「ショルダータックル」


10位:水瓶座
周囲への思やりがなくそれが原因で刺される休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「ヤングマガジン」


11位:獅子座
せっかくの運が逃げてしまう休日になるでしょう。
ラッキーアイテムは「カニ道楽」


最下位:天秤座
いつまで天秤座は日本にいてるんや?日本から出て行け!
ラッキーアイテムは「不審船」


※写真で一言。
「アニキ、もう天秤座を許したって?」

5c6bda08.jpg





2008⁄12⁄27 23:31 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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2008シネマランキングの巻き!


ど~も~、
グリールチキンで~す。
本日の日記ですが。

さ~て来週のサザエさんは?

グリーンです。

24日のサザエさんはいかがだったでしょうか。

年末ですね、
これから年末にかけて色んなランキングをやります。
先週は今年一年お世話になったAV女優ランキングでしたが

今回はグリーンが選ぶ
2008シネマ大賞です。

色んな映画がありました。
クソみたいな映画にぶち当たると
時間を返せ!ってな事になるよな~。

てな事でランキングです。

1位:クローバー・フィールド
2位:チームバチスタの栄光
3位:相棒-劇場版-
4位:ダークナイト
5位:アイアンマン

次点:X-ファイル・真実を求めて

がっかり度:レッドクリフ

クソ映画度:崖の上のポニョ


来年はどんな映画がランキングしてくるのでしょうか。
確実に言えるのは
「ドラゴンボールハリウッド版」か
「ヤッターマン実写版」のどちらかが
クソ映画にランキングしてくるでしょう。


さて、次回は

「波平、麻生首相に就職できないとダメだしされる」
「カツオ、ソニーの誤算」
「グリーン、車を手放す」

の三本です。
年末やお正月もブログを
更新する予定にしていますのでよろぴく。


ジャ~ンケ~ン パァ~ッ!(^O^)☆


※写真で一言。
「来週もまたみてね~!」

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2008⁄12⁄26 21:00 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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サンタ狩りの巻き!


ど~も~、
グリスマスで~す。
本日の日記ですが。


本日ブログは
クリスマスは合併号なのですが、
臨時ニュースをおおくりします。

--------------------------------------------------
2008クリスマス中止のお知らせ!

昨今の米国サブプライム・ローンや
リーマン・ブラザース問題に端を発した
世界的な金融危機を受け
サンタの資金繰りが悪化しプレゼント購入代金の不足と
トナカイの維持に多額の費用がかかります。
そして日本国内においても急速な円高による景気の悪化。
その円高の煽りを受けサンタクロースの
来日も厳しくなりました。
更にCO2排出増加に伴う地球温暖化による
北極圏内のトナカイの運行見合わせ。
その他、諸般の事情により2008年度の
クリスマスは中止になりましたのでお知らせ致します。
2009年度以降の開催についても、
現在のところ予定されておりませんのでご承知おき下さい。
--------------------------------------------------


※写真で一言。
「クリスマス中止!」

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2008⁄12⁄25 20:59 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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Xマスの読み物でござい(必ず見て下さい)の巻き!


ど~も~、
グリちゃんマンで~す。
本日の日記ですが。


本日ブログは
クリスマス合併号
長編の小説をおおくりします。

今宵クリスマスにおおくりする
サスペンスホラーの最高傑作です。

みなさん素敵なクリスマスをどうぞ!

------------------------------------
サ○エさん番外編

タラちゃん「弾丸は残り一発です」

http://greenbeer119.blog41.fc2.com/

------------------------------------

かなりの長編なので
別のブログに掲載しています。

ちょっとマジいいので
ぜひぜひ読んでみて下さい。


※写真で一言。
「お前を蝋人形にしてやろうか!」

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2008⁄12⁄24 00:25 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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グッバイ青春の巻き!


ど~も~、
グリ車で~す。
本日の日記ですが。

え~っと
長年付き合って来た愛車(VWゴルフ)
を手放す事になりました。。。

やっぱり不況の波には勝てないです。。。

て言うか
今年は5回しか乗ってへん。

その内3回はバッテリーの為に近所を2~3週しただけ。

こりゃ車を維持するのはもったいないかなと思い
断腸の思いで来年車とサヨナラをすることにしました。

これからはバイクだな。

中型バイクでも購入しようかと思っています。

あんまり長く書くと
懐かしくて涙が出て来そうなので

今日はこのへんで。

明日明後日のブログは
クリスマスは合併号
長編の小説をおおくりします。

マジでお楽しみにして下さい。


※写真で一言。
「アニキ、サヨナラは別れの言葉じゃなくて、
 再び合うまでの遠い約束やで!」

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2008⁄12⁄23 16:41 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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タラちゃん「銃弾は残り一発です」



タラオ「おじいちゃんから譲り受けた
    この銃でこの悪夢を・・・・終わらせるです」

三河屋のサブ「あれえーおっかしいなあ・・・
       たらちゃーん・・・何処にいるのかなぁ・・・
       参っちゃうなあもう・・・
       出て来いよっっっこのクソガキッッ!!」


サブ「良いのかなあタラちゃーん
   出て来ないとワカメちゃん死んじゃうよーーーー?」

その一言がタラオの決意を揺さぶる
大好きなお姉ちゃんが友達の家から帰って来てしまったのだ

タラ(三郎に捕まってしまったですか?)

カツオの机の下からするりと出て、
タラオは襖に近寄りそっと開いて
三郎の声のする台所を見た


三郎が頭を掴んでいる。おかっぱ頭の女の子だった。
しかしその少女には胴体が無かった。

血をボタボタと垂れ流すその球体がクルリと此方へ振り向いた
信じられない物を見た顔・・・・
恐怖というよりかは驚きの表情

タラオ「わ・わかめ・・・」

サブ「そこかいタラちゃん・・・・」


三郎はゆらゆらと体を揺らしながら
ゆっくりとした動きで近付いてくる

タラオ「う・・・・ううう」

叫び声を上げながら逃げ出すタラオ、
その時手に掴んでいた銃を落としてしまった
タラオは息を上げながらサザエ達の寝室の押入れに逃げ込んだ。

(もう駄目です、全部僕のせいです。
 銃も取られたです僕も皆の後を追うです)

タラオはついさきほどまで幸せだった家庭を想い涙ぐんだ。

磯野家連続殺人と呼ばれる幻のこの回の
切っ掛けはペットであるタマの死から始まる。。。






タラオ「うわーーーーーーーん、
    タマがーーーータマが死んじゃったですーーーー」

カツオ「ど、どうしたんだいタラちゃん?
    あっタマッッタマどうしたんだっっ・・・・・」

そこには頭から脳漿を垂れ流している一匹の猫が居た

タマ「に・・・・にゃあ・・・・」


タラオ「うわああああっっどうしようーーー」

カツオ「うっっいったい誰がこんな酷いことを??」
カツオは込み上げる吐気を抑えながらタラオに聞いた

タラオ「僕です、ちょっとタマを脅かそうと思ってあの・・・
    タマを乗せたベッドの上で跳ねていたら」

カツオ「ベッドって・・・」

それは昔赤ん坊だったタラオを寝かす為の
乳幼児の為のベッドだった
脚が折れ、使われていた木材が散乱している


タラオ「近くのタンスの上に乗せてあった
    ダンベルがタマの・・・タマの頭の上に・・・」

カツオはバラバラに分解されたそれに近付く、
その中に黒光りするダンベルがあった
紐のような物体とともにどす黒い血がダンベルについている

カツオ「・・・これは・・・」

中嶋「おい磯野ーーー何やってんだよ野球遅れ・・・・」

待ちくたびれて玄関からいけないと知りつつも
勝手に入ってきてしまった中嶋は激しく後悔した
冷たい汗を背にかき、中嶋はゆっくりと口を開いた

中嶋「ど・・・どういうことだよ・・・」


中嶋は次の瞬間充満する獣特有の臭気と汚物に
まみれたその光景を目にして吐いてしまった。

タラオ「カツオにいちゃーん、まだ。。
    まだタマは生きてるです。タマは・・・タマは・・・・」

カツオ「残念だけど・・・・悲しいけどもうタマは駄目だよ」

タラオ「嫌ですっっ絶対に嫌ですぅぅぅあああああああん・・・」

カツオは生まれて来て初めて姉の息子である
目の前の子供を憎らしいと思っていた。


一瞬の激しい憎悪。しかし、
すぐに我に返りカツオはタラオを抱いて言った

カツオ「仕方ないことだよ、これは誰のせいでもないよ」

タラ「ううううううう・・・・」

その時ふすまが開いた。タラオとカツオは驚いて見る
洗面所で口をゆすいだ、中嶋だった

カツオ「お、驚かせるなよ、姉さんかと思ったじゃないか・・・」

タラオ「見つかったら不味いですか?やっぱり怒られるですか・・・」

その言葉にタラオは過敏な反応を示した。
そしてまた泣き出すタラオにカツオは顔をゆがめた。



中嶋の顔に精気がない。恐らく洗面所でまた吐いたのだろう
カツオはそう思った

タラオ「たま・・・たま・・・」
タマは異常に早い呼吸を繰り返し、目の焦点が合っていない

カツオはそれをなるべく見ないようにしていた
カツオ「どうしよう・・・・まだ生きているし
            病院に連れて行ってもこれじゃあ・・・・」

中嶋「磯野・・・あれ・・・試してみたらどうかな?」

カツオ「あれって何だよ中島?」


中嶋「ペ ッ ト セ メ タ リ ー だよ」



カツオは驚いていた。
こんな状況を見て中嶋がおかしくなったとそう考えた。

カツオ「おいおい中嶋、あれはただの噂話じゃないか
    そんなのにタマを預けられるか」

中嶋「でも・・・このままにしておくわけにはいかないし
   いずれ死ぬんだ。どっちにしろ埋めるなら
   ペットセメタリーでも構わないじゃないか」

カツオ「・・・確かにそうだけど・・・」

タラオ「・・・ペットセメタリーって何ですか?」

憔悴しきったタラオがカツオに聞いた。
目の周りが蜂にさされたように赤く腫れている

カツオ「ペットセメタリーっていうのは・・・・」

カツオは昔から学校で噂になっている。裏山に存在するという
その墓地について語り始めた。


七不思議などではない。何故か古くから存在が噂される裏山の墓地

・・・ペットセメタリー・・・

そこに埋葬された生物は魂を取り戻し蘇ると、そう言われていた

カツオ「でも・・・その噂にはキチンとついてくるおまけがあってね」

タラオ「なんですかそれは・・・」

中嶋「ペットセメタリーに埋められた生物は生き返るが
   その時引き連れてきた魂は決して生前のものとは限らない」

不気味な噂話だった。しかし、カツオは中嶋の言うとおり、
例え生き返らなくてもタマを埋葬することが出来るし、
何より言い訳になると思った。
早く、早くこの血なまぐさい部屋をどうにかしなくちゃならない

カツオは姉の悲しい顔を見たくなかった


カツオ「行こう中島・・・・」

カツオはタマを抱きかかえた。激しい臭気に顔をしかめる
潰れた頭を撫でてやった。血に塗れる手。
こうすることがカツオが出来るタマへの最期の愛情表現だった
タマは静かになっていた。

中嶋「もう野球どころじゃないな・・・」

タラオ「僕も・・・僕も行くです・・・・」

カツオはタラオを制し言う
カツオ「良いんだタラちゃん・・・タラちゃんは家で待っていて」

タラオ「でも・・・」

カツオ「誰が悪い訳じゃない。最期にタマに挨拶して」

タラオ「タマ・・・タマ・・・・ごめんなさい・・・・」

カツオ「最期まで謝ってたらタマも悲しむよ」

タラオ「うう・・・ありがとうですタマ・・・今まで・・・」

こうして、カツオと中嶋の二人は学校の裏山へと向かった


裏山に到着した二人は早速その場所を探し始めた。

中嶋「でも本当にそんな場所あるのかな」

カツオ「お前が言い出したんだぜ」

中嶋「いや・・・でもあの時はああするしか」

カツオ「分かってる、感謝してるよ・・・
    見つからなかったら見つからなかったで此処に墓を立てるよ」

中嶋「磯野・・・・」

二人は茂みの奥の奥へと歩を進めていく
低木を越え、高く生い茂る草木をかきわけ、その場所を探す。

カツオ「ないな・・・まあ初めからそんな感じはしたけれど」

中嶋「仕方ないな、じゃあ此処ら辺に埋めてしまおうか」

カツオ「ああ・・・スコップ貸してくれ。
    あそこ少し土が見えているから、あそこにしよう」

腐葉土と枯れ木を掘り進み、二人は造った穴にタマを寝かせた。
タマはその時もう死んでいた。

カツオ「安らかに眠ってくれ」

今までの日々が思い起こされカツオは泣いた。
その泣き声は長く山に響いた。
タラオの前では我慢していたのだ。

中嶋「磯野・・・」カツオ「ああ・・行こう」

中嶋に寄り添われて、カツオはタマの墓を後にした


外はもう暗くなり、月が出ていた。
それほどまでに濃縮された時間を過ごしていたのだ。
月は盛り土だけの墓を照らす。

少し離れた場所に古く朽ち果てた木の立て札が転がっていた。
そこには英語でこう書かれていた

ペット・セメタリー




暗い面持ちで玄関を開けたカツオをワカメが出迎えてくれた。

ワカメ「どこ遊びに行っていたのー?怒ってるよおとうさん」

カツオ「あ・・・そう・・・」

タマの件で叱られるのだろう。そう思っていた。
夕食はもう始まっていた

波平「ばっかもーーーーーーーーん、
   今まで何処ほっつき歩いておった?お前は晩飯抜きじゃ」

カツオ「えっ・・・・うん・・・ごめんなさい」

カツオは頭を下げ、自室へと帰っていった
その様子を見た皆は一人を除き、皆驚いていた

サザエ「何かあぅたのかしら・・・・」

波平「おい、サザエ」

サザエ「はい、何ですか」

波平「あとで夕食持っていってやれ・・・
   それで何かあったのか聞いてみろ」

サザエ「はい分かりました」

サザエはウフフと笑った。

フネ「あなたが聞いたらどうです?」

波平「いや、ワシはいい・・・」

フネ「まったく素直じゃないんだから」

タラオ「もう、ご飯いらないです」

サザエ「どうしたのタラちゃん」

タラオ「カツオ兄ちゃんを元気づけてくるです」

サザエ「そう、偉いわねえ」


カツオは黙って机に座っていた

「カツオ兄ちゃん」

突然そう声を掛けられ、振り向くとそこにはタラオが居た

カツオ「タラちゃん」
カツオは肩で息をすると、声を低くした。

カツオ「皆には・・・まだ言っていないんだね・・」

タラオ「綺麗にしておきました、臭いは何とかなったです・・」

カツオ「こびりついた血は・・・・」

タラオ「僕がもっと汚したです、ダンベルは隠しておいたです」

カツオ「そうか・・・・でもそんなことをしても
    いずれバレるんだから
    早めに父さんたちに言った方が良いよ」

タラオ「嫌です」

カツオ「えっ?」

タラオ「タマは死んでいないです、
    ペット何とかで生き返るんです」

カツオ「タラちゃん」

タラオの声の調子はやけに明るかった。
しかし、以前とは違い、感情の色がない。
恐らく現実を受け入れることが出来なかったのだろう。
あんなに可愛がっていたタマを故意でないとはいえ
自らの手で殺してしまったのだ仕方ない。

カツオは深い溜め息を吐いた。


サザエ「入るわよーー」

サザエは部屋にいる二人を見て思わず
夕飯を乗せた盆を落としそうになった。
振り向いた二人の顔が、今までに見たことのないほどに暗く、
しかし目はギラギラと張り裂けそうなほどに見開かれ光っていた。

サザエ「ど、どうしたの二人とも」

カツオ「いや、何でもない・・・ねえタラちゃん」

タラオ「何も無いですー」

サザエ「そ、そう?」

カツオ「あっ姉さん今日は春巻きだったね食べて良いの」

カツオは飛びぬけるような声を出し、
椅子から立ち上がって舌なめずりをした。

サザエ「父さんが反省してるようだから許すって、
    明日もう一度謝っておきなさい」

カツオ「はーい」

サザエ(気のせい。。。だったみたいね・・・・)

カツオ「美味しい・・・・本当に美味しいよ・・・」


深夜・・・・

月が雲に隠れ、街明かりが落ちる頃。


引き摺るような音とともにそれはやってきた。




物語に関係のない、男が一人。
愚痴を垂れ流しながら家路をのらりくらりと歩いていた。

男「ったくよーーーざけんじゃねえよ」

会社で残業をおしつけられ、腹が立った男は一人憤っていた。
腹の底に溜めたアルコールが揺れる。

男「ちっつまんねえなあ毎日よ」

そう言いながら、男が家路につながる角を
曲がろうとした時のことだった。

ズルッペチャッズルッペチャッ

引き摺る音に続いて地面を叩く音、
交互に繰り返されるリズム
男は首を傾げた。月が隠れた深夜、
それは暗くて良く見えない。


街灯が無機質な明かりを道路に向けて投げている。
男は目を凝らした。ただの犬か猫の類だと思っていた。
街灯が作り出す舞台にそれは現れる。

頭がパックリと割れ、片方の目は崩れ落ち、顔半分がえぐれている。
引き摺っているのは折れた左の前足だった。

男は声も出せなかった。体は凍りつき動かない
その男の脇をゆっくりとそれは通り過ぎていった。
体中泥だらけで男はそれが何か分からなかった。

タマ「に・・・・にゃあ・・・・」



同刻、寝室で夫婦の営みが今行われようとしていた。

マスオ「サザエ、綺麗だよ」

サザエ「いやだ、あなたったらウフフ」

その愛しく、しなやかな肢体をマスオは指でなぞる。
両指は二つの突起を撫で上げ、やがて濡れた丘に至る。

マスオ「サザエ、準備が出来てるみたいだね」

そう言うと、サザエは処女のように頬を染め、
恥ずかしさを噛み殺すようにして言い返す。

サザエ「あなたのだって・・・こんなになってる」

母の顔、磯野家の長女の顔。その二つを脱捨てた
サザエは妖艶な笑みを浮かべて
マスオのいきり立ち、充血したソレを包むように握り込んだ

マスオ「サザエ・・・・もう・・・」

マスオの息子が悲鳴をあげそうなほどに怒張した時の事だった
突然音がした、金属質・・・・ガラスの割れる音。

サザエ「えっ・・・・何かしら?」

マスオ「サザエ、そんなことより・・」

サザエ「駄目よ、あなたちょっと見てきて」

マスオ「はい・・・」

マスオのモノは萎れてしまった。



タラオ「どうしたですか?」

眠気の混じった声でタラオが聞いた。

サザエ「あっタラちゃん起きちゃったの?
    何か音がしたから今パパが見に行ってくれてるの」

タラオ「おしっこ行ってくるです」

サザエ「してきなさい」

タラオ「ねえママ?」

サザエ「なあに?」

タラオ「どうして裸ですか?」

サザエ「・・・・・・」

タラオは襖を開け、足早に駆け出した。

タラオ(タマです。。。タマが帰って来たんです)



マスオが辿り着いたのは縁側だった。
ガラスの破片が辺りに飛び散っている。

マスオ「危ないなあ・・・誰がこんなこと。。」

「にゃあ・・・」

マスオ「タマかい?何処にいるの?」

「にゃ・・・・」

タラオ「パパー」

マスオ「あれこんな夜更けにどうしたのタラちゃん?」

タラオ「タマは・・・タマは・・・」

マスオ「ああ、どうやら縁の下にいるみたいだね、泣いているよ」

タラオは涙を零した。生き返ったのだ。噂は本当だった。

マスオ「えっタラちゃん・・どうしたんだい?」

タラオ「ううん・・・ちょっとトイレに行ってくるです」

マスオ「そうかい?・・・それにしてもこのガラスは・・・・」

マスオが拾い上げたその破片には
うっすらと赤黒いものが付着していた。

タラオ「カツオ兄ちゃん」

タラオはワカメを起こさぬように
声を潜めて襖越しに語りかけた。

カツオ「ん・・・どうしたんだいタラちゃん」

タラオ「帰って来たです、タマが」

カツオ「ハハハ・・・・何を言っているんだい?」

タラオ「パパが今迎えに行ってるデス」

カツオ「何処に・・・いるの・・・」

カツオは心の何処かでもしかしたら・・という願いがあった。
タマが帰ってくれば誰も悲しまずに済む。
その時、庭の方から音がした。

カツオ「行ってみよう・・・タマを迎えに行こう」

タラオ「ハイですーーー」



マスオ「タマどうしたんだい?そんなに怒って」

タマの悲しい泣き声は止み、
軒下からは激しく唸るような威嚇が続いていた。

マスオ「大丈夫、怖がることは無いよ、タマおいで・・・」

マスオはそのタマの声のする闇に手を伸ばした・・・・。


タラオとカツオが縁側に到着した時、
目にしたのは月明かりの下もつれ合う
異形の物体とマスオの姿だった。

マスオ「ぐっ・・・・・・クソっっ」

か細いその獣の腕を振り払うことは造作も
無いように二人には初め見えたが、
実際上に乗りかかられているのはマスオの方だった。
マスオの腕からはおびただしい量の血液が流れ出ている。

カツオ「マスオ・・・兄さん・・・・」

マスオ「ああ助かった・・・頼むカツオ君!こいつを・・・」

マスオは言葉を上手く発することが出来ないようだった。
それ程必死にマスオはその獣の両腕を抑えているということだ。
迫る獣の腕はマスオの首目掛けて爪を伸ばしていた。

カツオはすぐに状況を理解し、走り寄ってその獣の背中を掴んだ。
ガサリとごわついた毛、その感触の下はタイヤのように硬い体。
動いている筈なのに生をまるで感じない冷たさだった。

まるで死体のような・・・・




マスオ「カツオ君・・・・カツオッッ」

マスオ兄さんの小さく、悲鳴に似た懇願がカツオの耳にも
届いていた。

しかし、いくら力を込めても獣は引き剥がせない。

カツオ「畜生っこうなったら・・・」

カツオは心の何処かに遠慮があった。
そう・・・もう理解していた。この黒くて硬くて冷たい獣はタマだ。
しかし、もう余裕は無かった。

カツオは力一杯に首の根元を掴み、爪に力を込めた

カツオ「マスオ兄さんから離れろっっ」

タマであった獣の首が少しづつ、少しづつ浮き始めた。

マスオ「よし、良いぞカツオ君、もう少しだ」

しかし、なおも獣は低く唸りながら、
その体をマスオから離そうとはしない。
見た目の体積に比べ、ずっしりとその体は重かった。

カツオ「もう少し。。。。頑張ってマスオ兄さん」

カツオが腰を入れてその首をもぎ取ろうかという時、
カツオの腕に二本の腕がかかった。

カツオ「タラちゃん?・・・・・・・何するんだ・・・・・・・・離せよ」



タラオ「嫌です・・・・タマを・・・タマを虐めないで下さい」

カツオ「何言ってるんだタラちゃん・・・
    こいつは・・・・こいつはもうタマじゃない」

タラオ「タマです・・・首輪してるです・・・」

その獣の首につけられた首輪。その先に揺れる鈴。悲しい音色。

マスオ「おい・・・頼む・・・・頼む・・」

マスオの肩が痙攣していた。

カツオ「手をどけろ、だからと言って・・この・・化け物っっ」

タラオ「タマは化け物じゃないです・・ねえタマ・・話を聞いて・・」

その時、カツオが掴んでいたタマの体が、
何かが抜け落ちたかのように、ふぅっと軽くなった。

タマの爪はしまわれ、腕をだらんと垂れ下げた。
マスオは顔を紅潮させて荒い息を吐いている。
カツオの首を絞めた手が震えた。

タラオ「タマ・・・」

タラオは泣いていた。
そしてタマもその片目から涙を流していた。
タマはゴキゴキと渇いた音を鳴らしながら、顔を百八十度回転させ、
カツオに向けて一声鳴いた。

カツオ「タマ・・・・・」



その顔にカツオは見覚えがあった。
自由気ままで、餌を貰う時だけ愛らしく擦り寄ってくる飼い猫
カツオは首を掴んでいた手を緩め、その崩れた頭を撫でた。

タマ「にゃ・・・」



弛緩した空気が流れたその時
カツオに細く、尖り、吹き出る血がかかった。

カツオ「え・・・・・・・」

タマがマスオの首に喰らいついていた。

マスオ「あ・・・・あああ・・・・」

カツオとタラオの二人はいったい何が起きたのか分からなかった。
肉を混ぜ込むような音を立て、タマがマスオの首から顔にかけて
爪と牙を踊らせている。肉片が飛び散り、目玉が抉り出されている。

カツオ「おい・・・やめろ・・・やめろよっっ」

カツオはそう声を発してタマに蹴りを繰り出したが、
タマはその重い体からは想像できぬ動きで宙を舞い、
その場から飛びのいた。

あとに残ったのはミミズのような蠕動をして
片目で虚空を睨むマスオだった。
マスオは声にならない声を上げながら、
やっと視界に捉えた二人にゆっくりと手を伸ばす・・・・。

しかし、二人がその手を握ろうとした時、マスオの手は地を着き
苦しそうにもがく体はその動きを止めた。



カツオ「マスオ兄さん・・・マスオ兄さーーーーーんっっ」

タラオ「パパ・・・パパ・・・」

カツオ「こ・・・この野郎・・・」

タマはゴロゴロととてもリラックスした
様子で毛づくろいをしていた。
カツオは立てかけてあったスコップに手を伸ばし、
タマに向けて力一杯振り下ろした・・・・が・・・・。

タマは軽々と身を交わし、庭の柵を飛び越え闇夜の街へと消えた。



タラオ「パパーーーーーーパパーーーーーーーーーーー」

カツオ「くそっくそっ僕のせいだっ僕が気を許したから・・・」

タラオ「嫌ですーーーパパーーーー」

カツオ「黙れっっ・・・・」

タラオ「えっ・・・・」

カツオ「黙れって言ってるんだ・・・・静かにしろ」

タラオ「うっ・・・・」
タラオはカツオの鋭い声に泣き声を引っ込めた。

カツオ「ごめん・・タラちゃん・・・」

カツオは気が狂いそうになりながらも、
何とかタラオの義兄として苛立ちを抑えた。
泣き叫びたいのは自分も同じだった。

タラオ「うう。。。」

カツオ「タラちゃん・・・・姉さんの所に戻っているんだ・・・」

タラオ「えっ・・・・」

カツオ「こうなったらもう・・・・引き下がることは出来ない・・・」



カツオはマスオをその背に担ぎ、路地を歩いていた
何の力も加えられていない大人一人の死体はとんでもない重さだった。
汗がマスオの血とともに路地にシミをつくる。
息を切らしながら、カツオは歯を食いしばり、裏山へと向かう。

あのペットセメタリーへと・・・・・



カツオは何故タマがあんな行動を取ったのかを考えていた。
恐らく自らの死を理解出来なかったタマは錯乱し、
本能から住みかに戻っては来たものの・・・
あんなことになってしまったのだろう

しかし、あの力・・・・・そうあの力は何だろう?
ただの猫が、まるで虎のような膂力を身につけたのだ。
その謎は解けぬまま、カツオはタマを埋めたあの場所へと戻って来た。

(中嶋・・・お前の言うとおりあったよちゃんと・・・
此処がそうだったんだ・・・此処がペットセメタリーだったんだ)


カツオはマスオを土で埋めながら、彼の顔を見た
絶命する瞬間のマスオの顔は苦悶の表情を浮かべ、
もう生前の面影は欠片も残っていなかった。

優しかったマスオさん・・・マスオさんは僕の憧れだった。
優しく常に場を和ませ、カツオを庇ってくれたマスオ。。。
そのマスオが居なくなることはカツオには考えられなかった。
そしてふと・・・この状況を見られたなら・・・・

まるで本当に僕がマスオ兄さんを殺したみたいだな・・・

カツオは口だけを歪ませ奇妙に笑った。
墓標の無い墓、作り上げたのは今日で二度目だった。



同刻、磯野家――。

サザエ「タラちゃん・・マスオさん遅いわねえ何してるのかしら」

タラオ「トイレですか・・・何してるですか・・・」

サザエ「タラちゃん・・・隠し事してるでしょ」
その声の響きと表情で母は分かってしまう。

タラオ「何にも無いです」

サザエ「嘘よ、ったく見てくる、タラちゃんは待ってて」

タラオ「嫌です・・・ママ寂しいです」

サザエ「すぐ戻ってくるから・・・ね・・・」

タラオ「ママ・・・ママー嫌です嫌ですーーー」

タラオは子供ながらに言葉では言い表せぬ
凶兆のようなものを感じていた。
母を行かせてはならない。そう直感したのだ・・・・。
しかし・・・・その母は息子をベッドに横たわらせると、
襖の向こうへと・・・行ってしまった。




サザエは何かが起きているということを感じ取っていた。
深夜、ガラスの音、様子のおかしい息子、そして――

縁側に残る赤黒い染み・・・
これは血ではないだろうか。。。。

サザエ「あなた・・・・あなたーーー」

トイレにもいない。和室にも、台所にも居ない。
(そうだ・・・玄関)
マスオの靴は玄関にあった。
少し外に出ているというわけでは無さそうだ
しかし・・・家の何処にもマスオは居ない
そして・・・カツオの靴が無くなっていた。

(あの子・・・・)
カツオが居なくなっていることを
確かめると、サザエは夜の街へと
疑惑の答えを探しに外へと出かけた――


クリスマス近い冬空。音の無い夜の山に
白い息が一つ上がっていた。

かじかむ手に息を吐きかけ、カツオは夜の山を降りていた。
マスオの声がカツオの胸中に浮かんでは消え、
脳裏に焼きついた暖かな映像は繰り返し流れて彼を苦しめた。

カツオ「マスオ兄さん・・・僕、これからもし
    マスオ兄さんが生き返って・・・大変な思いしたら・・・
    僕も一緒に背負うよ。だから・・・帰って来てよ・・・」

カツオはまた手に息を吐きかけると、
泥にまみれた暗い足元を一歩一歩進めていく。

その様子を照らす月が一つ。黒い山に落ちる影が二つ。



「カツオくん」

懐かしい声が脳内に響いた。優しいマスオの声。
カツオはその声が聞こえただけで、安心することが出来る。

「カツオくん」

カツオは以前、デパートに行った時
内緒でドーナツを買って貰ったことを思い出した。
サザエには内緒だよ。。。
マスオのこのフレーズはもう何度も聞いた。

「カツオくん、ねえ・・・カツオ君・・・」

記憶の中に眠るその声は確かに背後からする。
カツオは精一杯の笑顔で振り向いた

「か・・・カツオ君・・・」

カツオは何の驚きもしなかった。
片目が無くても、首が横から食いちぎられていても・・・
土と血だらけの顔でも・・・・・

(だって・・・失礼じゃないか・・・ねえマスオ兄さん)

カツオはおどけるようにして、明るく大きな声を出した。

「おかえりっっ!マスオにいさんっっ!!」



マスオ「いヤあ・・ハハはハハ・・参っちゃったなもう」

カツオ「・・・大丈夫?」

マスオ「これガ大じょう夫なヨゥに見えるカイ?」

マスオはおかしな抑揚で・・・笑顔を作り答えた。
悲しみと喜び。複雑な感情。
カツオの目から枯れた涙がまた溢れた。

マスオ「あンマリ・・ウマくシゃベれナイやーー」

カツオ「直そう・・・一緒に直そうよ・・・」

マスオ「手ツダってクぅれるノかい?」

カツオ「勿論だよ・・・そんなの・・・当然だよ・・・
    あっそうだコレ・・
    やっぱりマスオさんにはこれが無くちゃ」

マスオはカツオから差し出されたその眼鏡を受け取りかけると
純朴な笑顔を浮かべ、優しく微笑んだ。

マスオ「アリガトウ・・・・・・・・・・じゃあ・・・・・」




マスオ「まズは・・・ヲ前のノドを代ワりに寄コせっっ!!」

カツオは喉に食らいついたその手を掴んだ時、悟った。
もう助からない。でも・・・何だろうか・・・悲しいけれど・・
悔しいけれど・・・・少し肩の荷が下りた気がした。
この先、続くであろう悪夢を、もう見ないで済むのだから――

握り潰される頚椎、カリカリと骨と肉が
擦れ合う音を出しながら凹む喉仏。
その喉が勝手にカヒュッッと空気を押し出すような音を出した。

次の場面、首と胴体が離れた時の状態を
カツオは最期にその目で見た。
マスオの嬌声が遠くなっていき・・・
焼けるような熱はやがて全てを真っ白に吹き飛ばし、
カツオの命は潰えた。

マスオ「ハカモリ・・ワレはハカモリの血ナリ・・・」


マスオはくぐもった声でそう呟くと、
右手にカツオの頭を持ち、左脇に胴体を抱えて・・・
また・・・・元居た場所へと帰っていく・・・・・。




深夜三時半、磯野家――。
タラオは布団の奥深くに潜り込み恐怖でその身を震わせていた。
明日になれば・・・・明日になれば・・・・
朝が来れば・・・・皆元通り・・・・皆笑っているです・・・・
これは夢です・・・・・コレは・・・・
タラオはそう言い聞かせると、興奮冷めやらぬまま、
全身を支配する疲労に急かされるようにして眠りにおちた。


翌朝、異変にまず気づいたのはフネだった

フネ「あら・・・あの子起きてくるの遅いわね・・全くもう・・」

そう思えば、最近久しくしていなかったが、
寝坊は本来娘サザエの専売特許のようなものだった。

フネ「サザエーーサザエーーーーー」

呼びかけるも返事は無い。
フネは我が娘ながら情けなかった。

(仕方ない、起こしに行ってあげようかね)
フネは割烹着に身を包みながら、娘夫婦の寝室へ足を運んだ。

フネ「サザエ、マスオさん入りますよ・・・・あら?」

娘は部屋にも居ない。
そして何故かマスオも部屋に居ない。
子供には少し広いその部屋で、
タラオがすやすやと寝息を立てていた。



「かあさーーーんかあさーーーん」

波平の声がした、フネは声のした方へと向かう。
縁側で波平が首を傾げていた。

波平「ああ、かあさん。これはどういうことだろう」

フネ「あらやだ・・・割れてる・・・」

ガラスの破片が飛び散り、ガラス戸は全開になっていた。
フネはそこでハッと思い出し、

「あなた・・そう言えばサザエとマスオさんが
 何処か出掛けているみたいなの」

と波平に告げた。

波平「何だって・・・今日は平日だぞ」

フネ「本当どうしたのかしら」

波平「ゴミ捨てにでも行ったのかもしれん」

フネ「今日はゴミ捨ての日じゃあありませんよ」

波平「どういうことだろう・・・」

二人が首を捻っていたその時、玄関のチャイムが鳴った。


波平「誰だろう、母さん出てくれんか?」

フネ「きっとあの二人ですよまったく」

チャイムは鳴り止まず、ずっと鳴り続けている。

フネ「はいはい」

玄関を開けると、そこにはカツオの顔・・・・。

顔だけのカツオが玄関の前に置かれていた。


カツオ「何だよ母さん、そんなに驚くことないじゃあないか」

カツオは笑顔でそう言った。

フネ「か・・・・カツオ・・・・」

首だけの息子を見て、
フネは気を失いその場に倒れこんでしまった。

カツオ「ったくだらしないなあ・・・息子が顔だけに
    なっても頑張っているっていうのになあ」

呼びかけた玄関の脇から出て来た胴体が、
倒れこんだフネの首根っこを掴んで持ち上げた。

カツオ「交代だよ母さん・・・次は母さんの番だ・・・
    生き埋めなら綺麗なままだから楽で良いよね」



フネの悲鳴が聞こえて、波平は玄関へと向かった。
そこで・・・波平はおぞましい光景を目にした。

服を見れば分かる、あれは息子の体。首から上が無い・・・。
右手にカツオの顔、左手には母さんを抱えている。

波平はその場にへたり込み、声を上げることも出来ずに、
その異形の化け物を見送った。

波平「ど・・どういうことだ・・警察・・警察だ・・・」

黒電話の受話器を手に取り、ダイヤルを回す。
しかし、気が動転していて上手く回すことが出来ない。
110を回すだけ、たったそれだけなのに・・・・
慌てる波平の後頭部をがっしりと掴んだのは・・・・

波平「お前は・・・・」

次の瞬間ヒューズが飛ぶように波平の視界暗くなった。

カツオ「父さん順番は守らなきゃ
    邪魔だから一目につかないトコでくたばっていてよ」

顔はペラペラと饒舌に喋った。



ワカメが起きたのは朝九時を回ろうかという頃だった。

ワカメ「あれ?嘘っ嘘でしょーー何で起こしてくれないのよーーー」

泣きそうになりながら、大急ぎで着替えを済ますと、
ワカメは居間をちらりと覗いた。

(誰もいない・・・皆酷い・・・今日って・・・平日だよね)

朝食を諦め、ワカメは台所に怒りを込め、声をかけた。

ワカメ「もう、何で起こしてくれないのっっもうっっ」

フネとサザエがいるのだと思った。いなくても、
この家のどこかにいるのだろう・・・・と・・・・

ワカメは行って来ますとは言わなかった。
なかなか怒りは収まらなかった。

(お兄ちゃんも酷いよっ一人で行っちゃうなんて・・・)

ワカメはこの時、静まり返る家と、学校の遅刻を秤にかけて
然したる疑問も持たずに学校へと登校していった。


カツオ「大きな空を眺めたらーっと」

カツオは胴体に穴を掘らせていた。

カツオ「よしこんぐらいの大きさで良いかな、よし放り投げて」

胴体がフネを放り投げて入れた。
裏山のふもとではサイレンが鳴り響いている。

カツオ「クソっ何てこったい・・・誰かに通報されたかな
    ・・・顔ちゃんとくっつけていったのに・・・」

叩きつけられた衝撃で目を覚ました
フネがカツオの生首と胴体を交互に見比べていた。

フネ「カツオ・・・あんたカツオなのかい?」

カツオ「そうだよ母さん・・僕だよ」

フネ「あんた・・・あんた・・・何が・・・」

フネはとても状況を理解することは出来なかった。

カツオ「母さん・・・シネバ分かるよ・・・」

胴体は機械的に掘り返した土をフネにかける。

フネ「ぺっぺっ・・・・ちょっと・・・やめて・・・」

胴体は土をフネにかける。

フネ「お願い・・・お願いだから・・・・」

這い出ようとするフネを胴体がスコップで力任せに殴りつけた。
濁った声を発して、フネは鼻と口から鮮やかな血を流した。

フネ「か・・・・・か・・・・つお・・・・」

腰の砕けたその母に、息子の胴体はさらに土をかける。
その目が最期に映したその恨みの篭った目、
その表情は息絶えるその時まで、土の中で・・・



?「さて、これでこの魂の役目は終わった」

それはカツオであってカツオの声ではなかった。
老齢を思わせるしゃがれていて、重く耳に引っ掛かるような声。
もう一つ作ってあった穴にカツオは自ら頭を胴体に投げ入れさせた。
胴体はその体を潜り込ませ、自らに土を少しづつ、
少しづつかき入れていく。

「墓はこれで三つ」




三郎は三河屋の御用聞きをやって長い、もう何年になるのか
毎日毎日近所のババアのご機嫌を伺い、媚び、へつらう。
慣れたものだが、当然楽しくはなかった。
今日もお得意先の一つをまわりに
ダサいバイクを走らせる。
あの磯野家へ――。




忘れられた補完エピソード1
乳幼児用のベッドはタラオがサザエに頼んで出してもらっていた。
タラオ「小さなベッド楽しいです」

補完エピソード2
最近太りがちで、世間で言うメタボリックシンドロームを気にしたマスオ。
肉体改造をしてサザエを驚かせようと内緒で筋トレを開始する。
マスオ「ええと・・・このダンベルは何処かに隠しておこう何処が良いかな・・・?」

補完エピソード3
バラバラになったベッドはタラオの手により、庭の片隅に放置されている。




フネ「さあお父さん、逝きましょうね」

家に戻ったフネが肩をかし、書斎でうな垂れた波平を持ち上げた時。
勝手口から声が飛んできた。

「ちわーーーーーーーーーーー」

「おやおや・・・まあ良いでしょう。なら、お父さんはあと回しで・・・」

勝手口へと向かうフネを・・・
波平は割れた眼鏡の奥の奥でじっと見つめていた。



サブ「ちわーーーーー三河屋でーーーーーーーーすっっ」

台所に人は居ない。裏口に一人立つサブ。

サブ(ったく早く出て来いよ・・・
   この後も何軒か回んなきゃなんねえんだからよ・・・・)

サブ「ちわーーーーーーーー」

(おかしいな・・・留守か? 買い物にでも出かけたか?)

サブ「すいませ・・・・」

フネ「あらあらどうしたのそんな大声出して」

サブ「えっいや・・すいません・・あの・・大丈夫ですか?」

サブが初めにそう聞いたのも無理は無い。
フネは右手でタオルを顔にあてがっていた。
抑えたところからタオルに赤い血が広がっている。


サブ「いや・・・ちょっとそれ普通じゃないですよ
   ・・・救急車呼びましょう」

フネ「大丈夫だよ」

サブ「でも一応・・・」

フネ「ダイジョウブだよ」

サブ「なら応急処置でも・・・傷口はどんな感じですか?」


フネ「こんな感じかねえ」

その瞬間、臭気と共に血の塊がボトリと落ち、
奇妙な形をした頭が姿を現した。
髪は振り乱れ、鼻は潰れ、口は無理矢理に曲がっていた。
そしてよくよく思えばフネの顔のパーツは異様に中心に片寄っていた。

「うわ・・・・わ・・・ああ・・・」

フネ「どうしたんだい?」

その柔らかい声で何とか保たれた平静。
何で生きているんだ・・・?そう心の隅でサブが呟いた。

サブ「えっと・・・ハハ。。。やっぱり僕救急車・・」


フネ「ダイジョウブだって言ってるだろうっっ!!」

サブ「・・・・」

右手に握り込んだそのフォークは
サブの右目を視神経ごと引きずり出した

サブ「あ・・・ああああああああああああ」

目を抑えて呻くサブを見てフネは嬉しそうにして目玉を頬張った。

フネ「次は何にしようかネ」

サブ「ち・・・ちきしょう・・・てめえ・・・
   何しやがるババア・・・・クソいてえええええよっクソがああああ」

フネ「汚い言葉を使うのはおよしヨ」

フネは鼻歌交じりにそう言った。

サブはこの時、現在起こっている出来事の異常性や非現実を
片隅に置いて、自分の命が危険に晒されているということを理解出来た。

サブはその点、磯野家の誰よりも適切に、情に流されることなく
行動できた筈だった。


サブはやろうと思えば勝手口から逃走を図ることも出来た
しかし、それをしなかった。

サブはまだ、目の前にいる老婆が死んでいることや
その圧倒的な怪力の存在も知らなかった。

動いているなら生きている。
そう、頭を打ち付けたかなんかでおかしくなっちまった
サブはそう考えたのである。

サブ「かかって来い、ババア・・・殺してやる・・」



自分の右目がババアの口の中でクチュクチュと
美味そうな音を立てる度、頭痛が酷く響いた。

(死ぬのか・・・俺は・・・)

サブは痛いみに顔を歪めた。
けれど、左目はしっかりとフネを捉えて離さない。

フネ「あら・・・大丈夫かい・・・・?」



サブ「だ・・・・大丈夫な訳ねーーだろうがババアッッ」

サブの渾身の力を込めた一撃は
フネの右頬にねじ込むようにして入った。

硬い。。サンドバッグを殴っているような。。砂を殴るような。。
サブは笑った。放出されたアドレナリンが右目の痛みと頭痛を
忘れさせてくれる。

(・・・ざまあみやがれ・・・・殺っちまったよ)

フネの顔は吹き飛び、顔が逆方向に曲がっていた。




フネ「大丈夫みたいだねえ・・・」

フネは顔の位置を元に戻すと、優しくサブの顔を掴んだ。
サブは震えていた。

「や・・・やめてくれ・・・頼む・・・頼むから」




サザエ「起きなさい、朝よタラちゃん」

タラオ「ふわぁああ・・・マ・・・ママ・・・?」

サザエ「どうしたのそんな顔して・・・?」

タラオ「うわあああーーーん」

サザエ「どうしたの急に泣き出したりなんかして・・・」

タラオ「怖い・・・とても怖い夢を見たんです」
サザエはタラオを優しく抱いて囁いた。

サザエ「そう、でももう大丈夫よ・・・ほら泣かないで・・・」

タラオ「はいです・・あっそうだ・・カツオにいちゃーーん」
タラオは寝ているカツオを起こしに行った。

カツオ「うううん・・・おはようタラちゃん」

カツオは眠そうに瞼を擦り、タラオに話しかけた

タラオ「おはようです・・・エヘへ・・・」

サザエ「朝食出来てるわよー早く来なさーい」

ワカメ「はーーーい」
タラオの隣をワカメが通り過ぎていった。

タラオはその後につづいて居間へと向かった。
タラオ「パパ・・・パパーーー」

マスオ「タラちゃんおはよーーー」

タラオはマスオの胸に飛び込んだ
マスオ「どうしたんだい?タラちゃん?」

サザエ「何か怖い夢を見たんですって」

波平「それは大変だったねタラちゃん」

フネ「まだパパとママに甘えたいんだねえ」

一同「ハッハッハ・・・」

タラオ「あれ?朝からオムライスですかーー」

サザエ「ええ、大好物だったでしょタラちゃん・・・」

タラオ「うん大好きですーーー」

トロトロの卵に閉じられたチキンライスを掻き出そうと
タラオは一生懸命にフォークで卵を咲き、突き、切り裂く。

しかし、いつまで経ってもチキンライスは出て来ない。
ずっとドロドロとした黄色い卵・・・卵黄が・・・・
段々と血の気を帯び・・・・脳漿へと変わりゆく

タラオ「ま・・・まま・・・ママーーーーーーーッッッ」

タラオの絶叫を聞き、朝食を囲んだ一堂は一斉に笑い出した。

サザエ「駄目よ残しちゃ」

カツオ「自分で始末しなきゃタラちゃん」

フネ「タマも可哀想にねえ」

ワカメ「美味しそう・・・良いなあタラちゃんだけ」

波平「栄養あるぞ」

マスオ「僕の肉も食うかい?」

タラオがタマのオムライスから顔を上げると、そこには
首の抉れたマスオが笑顔で座っていた。




タラオ「ああ・・・ああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああ」




タラオは自分の叫び声で目を覚ました。
酷く疲れている・・・体がだるかった。

タラオ「夢じゃ・・・・ないです・・・」

タラオは今が何時か分からなかった。
随分寝ていた気がする
そっと襖を開ける
何の音もしない・・・誰の気配もない家・・・

タラオ「み・・みんなーー・・みんな何処ですかーー」

呼びかけてみたが返事は無い。

タラオ「みんなーーーー何処ですかーーーーー」

台所、寝室、居間、誰も居ない。
縁側の外にも居ない・・・・・。

(皆は・・・皆はどうしたんですか・・・・・?)



ゴトリ・・・という何か重たいものが倒れたような音が耳に入った。
その音は庭の物置から聞こえてきたようだった。

タラオ「だ・・・誰か居るデスカ?」

タラオはそっと物置のドアを開いた。


それは頭から血を流した波平だった。

タラオ「お、おじいちゃん・・・大丈夫ですかーーー」

波平「た・・・たらちゃんか・・・・
   たらちゃんは・・・・本当にたらちゃんなのかい・・・・?」

タラオ「僕は僕ですーーー」

波平「今まで何処に・・・」

タラオ「寝てたですーーー」

波平「な・・・奇跡か・・・それとも・・・
   一人づつじゃなければいけない理由でも・・・・
   しかしワシは・・・」

タラオ「お・・・おじいちゃん」

波平はタラオの頭をゆっくりと撫でて言った。
波平「いいかいタラちゃん・・・今な・・・
   お家が大変なことになっている・・・分かるかな」

タラオはその大変なことがどういう類のものかを既に知っていた。
そうして二回・・・確かめるように強く頷いた。


波平「いいかい・・・おばあちゃんな・・・少し疲れたのかもしれない・・・
   思えば結婚してから今まで苦労のかけどおしだった
   憎まれても仕方ない、嫌われても・・・」

波平は言葉に詰まり、頭を押さえた。

タラオ「おじいちゃん・・・・」

(血が・・・血が出ている・・・また・・・血が出ている・・・・・)

タラオはその流れる血を止めようと着ている服を破り、
その布を波平の頭にあてた。
それが単なる気休めであることはタラオにも分かっていた。

波平「でもな・・おじいちゃんは信じない。
   あんな母さんは信じない・・だからね・・
   きっと何か悪い誰かが・・きっと姿を借りて悪さをしているんだ・・」

タラオ「そうです・・・きっとそうです」

波平「それでな・・・どうやら・・・おかしくなると・・・
   一人づつ・・・やってくるみたいなんだよ・・・
   このお家に・・・だからね、タラちゃんは
   追い払わなきゃならないその悪い奴を・・・」

タラオ「僕が・・・ですか・・・」

波平「そうとも・・・・」



波平は時々辛そうに咳き込みながらも
優しい微笑を浮かべて話を続けた。
まだ幼い孫に対してのせめてもの配慮だった。

波平「書斎の掛け軸の裏に・・・鍵がはりつけてある・・・
   それでおじいちゃんの寝室の引き出しの一番下の中の奥・・・
   そこを開けてごらん・・・銃がしまってある」

タラオ「銃ですか?」

波平「そう・・・ワシぐらいの年のもんは有事の際の護身用として
   昔から受け継がれていたりするものなんだ、それをタラちゃんに託す
   でも決して撃ってはいけないよ、タラちゃんは人殺しになっちゃいけない
   人を殺すということは人生が、つまり自分が死ぬということと同じだ
   相手を威嚇して・・・逃げるんだ・・・
   まだそこら辺に潜んでいるかもしれない」

タラオ「大丈夫です・・・さっき誰もいませんでした・・・」

波平「なら・・警察に連絡を・・・・
   すぐに行きなさい誰か戻ってくるかもしれない」

タラオ「分かったです・・・さっおじいちゃんも行くです・・・」

波平「駄目だおじいちゃんはもう動けない・・・・」

タラオ「嫌です・・・嫌ですーーーー」


波平「馬鹿モン・・・泣く奴があるか・・・タラオ・・・
   こういう時・・・漢は・・・漢なら・・・
   ただ黙って・・・言うんだ・・はい・・・と・・・」

タラオ「・・・・・はい」



タラオは眠りについた波平を振り返らなかった。

涙を腕で拭い、書斎へと走り向かった。

遠くからバイクの音が近付いていた・・・・。



波平の瞼がゆっくりと開いた。

波平「ハハハ・・・嫌な予感が止まらん・・・
   孫をほっぽりだして・・・眠りこけようとした矢先に・・・
   この老体にもまだやることがあるみたいだな・・・・」

サブ「ちわっすーーー三河屋っすーーー
   誰か生きている人ーー手挙げてーーー注文聞きますよーーー」

波平「ここに・・・ここにおるぞーーーーーーーーーっっ」

波平は腹の底から声を張り上げた。聞きつけたサブが庭に回る。

サブ「あれー今声したような気がしたんですけど・・・」

波平「ここだ・・・」

波平は体を捻るようにして物置から転がり出・・・
よろよろと立ち上がった。

サブ「あれえ?かくれんぼですか?良い歳した大人が」

サブは青白い顔で腸の飛び出た腹を抱えて笑った。

波平「お前も良い年して・・・出とるぞ・・・ハシタナイ・・・」

サブ「しかも、何か勝手に致命傷なんですけど・・・
   ハハはハハはハハはこいつはおもしれえーーー」

狂ったように笑うサブに波平は苦笑いをした。

(タラちゃん・・・・これ相手に逃げるのは叶わんかもしれん
 ・・・これは・・・化け物じゃ・・・
 わしが時間を稼いでいる間に警察を・・・)



タラオの手は震えていた。
電話のコードの先が鋭利な刃物によって切られている。
タラオの手に力が篭る。
その手には波平のニューナンブが握られていた。


サブ「脆い・・・・脆いよ・・・こいつ・・・」

波平「あ・・あああ・・・ガアアアアアッ」

サブは右の足の親指から順に波平の骨を折って遊んでいた。
一本折る度に、波平の体が激しく弾んだ。

サブ「人間の骨っていくつあんだろうなあ・・・
   習った気するけど忘れちゃったから・・・・
   ちょっと体で教えてくれよ・・・な・・・」



サブ「よぉーーし・・これで・・・ええと何本だっけ・・・」

波平「く・・・か・・・」

サブ「両足指と両手指で二十本だろお?あとは肋骨と・・
   めんどくせえな・・次は太いのいってみよう・・
   な・・太腿いこう・・〆は頭だから・・な・・頑張ろうぜ」

ニヤニヤとサブは笑って聞くが、
波平はもう正常な思考を保つことすら難しかった。



その波平の姿を震える体で・・・

歯をガチガチと鳴らして・・・タラオはただ柱の影から見ていた。

何も出来ない

殺されるに決まっている

無駄なことはやめた方が良い

おじいちゃんは僕に生き延びて欲しいと願っている

タラオの脳内に泡のように思考が湧き起こり、
すぐに消え、残るのは絶対的な恐怖だった。




サブ「ねえったら・・・いくよ・・・
   折るよ・・中々難しそうだけど」

波平は強く歯を噛み締めた。
その様子を見たサブは物置から持ち出してきた
工具用のハンマーを下ろすと溜め息をついた

サブ「なあ・・つまんないんだけど・・・もっと叫べよ」

波平「ば・・・っかもん・・・どうせ死ぬんじゃ・・・一緒」

サブ「あっそう、さっきから誰に気を使ってんのか
   知んないけど皆殺すから・・・
   今のトコ墓に埋めてねえのはサザエとワカメと
   ・・・タラちゃんか・・・
   何処行っても殺すから・・・警察だとか民家に
   逃げ込むだとか関係ないんだよね」

波平「何で・・・何でなんだ・・・?
   わしら一家がいったい何をしたっていうんじゃ」

サブ「単なる生贄さ・・・基本的にペットセメタリーに
   関わった者は全て死ななきゃならない」

波平「ペット・・・なんじゃそれは・・・」

サブ「知らないの? ハハハハハご愁傷様
   自分がどうして死ぬのかも分からないままサヨナラだ」

サブのハンマーが波平の頭目掛けて振り下ろされようとした時

「や・・・やめろーーーーーーーーーっっ」

それは声を振り絞ったタラオの叫びだった。


タラオ「や・・・やめろ・・・・おじいちゃんにそれ以上何かしてみろ
    ・・・殺す・・・殺してやるです・・」

サブ「おいおいガキがおもちゃ持って粋がっても全く怖くないぞ」

タラオ「これは・・・これはおもちゃじゃないです・・・」

タラオは引き金をひいた。

波平「な・・何をしとるんじゃ・・タラちゃん逃げろ・・・」

タラオ「嫌です・・・・」

波平「何を言っておる・・・タラ・・」

タラオ「嫌ですーーーーっっ」

タラオは顔を振り、激しく泣き叫んだ。

サブ「へっおもしれえ・・ジジイはほっといても死ぬんだ
   行くぞガキ・・・・」


引き金はずっしりと重かった。
手の甲で押し込んでどうにか下りたその
拳銃を初めから上手く使いこなせる訳が無い。

化け物にヒトの造った武器は効かん・・・

波平「タラちゃん・・タラちゃん・・・」

波平はタラオに希望を持たせてしまったことを後悔していた。
一般人なら怖がることもあったかもしれない
しかし、相手は化け物だったのだ。

そして当たらない・・・
弾が一つしか入っていないあの銃じゃあ・・・どうやっても・・・

波平の後悔は深く、黒い波に飲まれた。


サブ「さあ撃てよ・・・なあ殺したいんだろ・・・」

タラオ(弾は一発しか入ってないです・・・もし外したら・・・・)

サブ「ほら、撃てよ近いぞ」

タラオ「う・・・う・・・」

タラオは一歩、二歩と後ずさり、背中を向けて逃げ出した。

サブ「おおい何処行くんだよかくれんぼの次はオニごっこか?
   おじいちゃんどうすんだーー?
   ハハハ・・・別に構わないけどな付き合ってやるよ・・・」


タラオは後ろを振り返りながら必死に頭を回転させていた。
どうすれば良いのか。どうすれば倒せるのか。

サブはワカメとサザエは無事だというようなことを言っていた。
サザエは外に出て行ったまま行方が知れない
・・ワカメは学校の帰りに友達と寄る所があると昨晩言っていた。

二人はまだ帰っては来ない筈・・・・
タラオは身を潜め、息を整えた。

タラオ「おじいちゃんから譲り受けたこの銃で
    この悪夢を・・・・終わらせるです」

サブ「あれえーおっかしいなあ・・・たらちゃーん・・・
   何処にいるのかなぁ・・・参っちゃうなあもう・・・

   出て来いよっっっこのクソガキッッ!!」



サブは家の構造には詳しくなかった。いつも勝手口からの景色だった為だ。

サブ「クソっ案外広いなこの家・・」

ワカメ「あっこんにちはサブロウさん・・・」

サブ「やあ・・・・ワカメちゃん・・・・」

サブは狐のように目を細め、歯を剥き出して笑うといつもの調子でそう言った。



数分後・・・・・

サブの大きな胴間声が部屋の中まで届いた。

サブ「良いのかなあタラちゃーん
   出て来ないとワカメちゃん死んじゃうよーーーー?」

その一言がタラオの決意を揺さぶる
大好きなお姉ちゃんが友達の家から帰って来てしまったのだ

タラ(サブロウに捕まってしまったですか?)

カツオの机の下からするりと出て、タラオは襖に近寄りそっと開いて
三郎の声のする台所を見た



ワカメ「あっあっあっ」

サブ「良い声で泣くねえほらほらー頑張らないと
   首と胴体が離れちゃうよワカメちゃん」

ワカメ「いや・・・・いやあああああああああああ」

サブ「駄目、アウトー」

力任せにねじ切られたワカメの顔は胴体の上で
踊るようにクルクルとまわった。

サブ「良いのかなあタラちゃーん
   早く出てこないからーーーーもう死ぬよーーーー」

タラオが覗き見た時、既にワカメは事切れていた。

三郎が頭を掴んでいる。
おかっぱ頭の女の子、見紛うはずも無く、磯野家次女のワカメだった。
血をボタボタと垂れ流すその球体がクルリと此方へ振り向いた時
タラオはワカメと目が合った。

信じられない物を見た顔・・・・恐怖というよりかは驚きの表情

タラオ「わ・わかめ・・・」

サブ「そこかいタラちゃん・・・・」



三郎はゆらゆらと体を揺らしながらゆっくりとした動きで近付いてくる

タラオ「う・・・・ううう」

叫び声を上げながら逃げ出すタラオ、
その時うっかり、手に掴んでいた銃を落としてしまった
おじいちゃんから託された大切な銃は・・・
サブロウに拾われてしまった。

サブ「プレゼントかい気がきくね」

タラオは息を上げながらサザエ達の寝室の押入れに逃げ込んだ。

(もう駄目です、全部僕のせいです。
 銃も取られたです僕も皆の後を追うです)

タラオはついさきほどまで幸せだった家庭を想い涙ぐんだ。

後を・・・・追うです・・・・全てのケリをつけたその後に・・・・


サブ「ここかな・・・? いや・・・こっちかなあ・・・」

サブはもうタラオのいる場所が分かっていた。
寝室の押入れ・・・隠れる所はここにしかない・・・

サブ「うーーん・・・何処かなあ・・・」

しかし敢えて気づかない振りをし、
サブは口笛を吹いて辺りを見回した。

(突然開けて奴の驚いた顔拝んでやる)

サブは下品な笑いを浮かべ、ナンブを握り締めた。

サブ「ええとお・・・・・もしかして・・・・・

此処か?」


しかし、押入れには誰も居なかった。

タラオ「たああああーーー」

サブが振り返るよりも早く
タラオの渾身の力を込めた出刃包丁がサブの脇腹に突き刺さった。

サブ「お・・・お前・・・何処に・・・・」

タラオ「桐箪笥の上です・・・」

サブ「ち・・・ちくしょう・・・俺がこんな・・・こんなガキに・・・」


サブ「こんなガキにーーーーーー
   ふ・・・ふふ・・・アハハははははははあははl

タラオ「あ・・・え・・・」

サブは柄を握ると勢い良く引き抜いた。

サブ「だから・・・・だからどうしたんだよガキ」

サブは腸を握り締めてタラオに見せ付けた

サブ「俺もうこんなになってんだぜ?何コレ?何なの?」

タラオ「う・・・ううああああ」

サブ「気持ち悪い擬音発してんじゃねえよ・・・
   まあ面白かったぜ・・・・お前のジジイの銃で

ア バ ヨ ーーーーーーー」

サブはトリガーにゆっくりと指をかけた

タラオはもう打つ手がないことを悟り・・・悔しさと・・・恐怖から小便を垂れ流した。

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ここで話は少し遡る。
ペットセメタリーの墓守達は知らなかった。
そう、タマを埋めた時に居た中嶋の存在を・・・・・。



中島はタマを埋めた翌日、朝から嫌な気分だった。
胸を覆う霧のような疑問がどうしても晴れないのだ。

あの時、自分は本当に親友を思って――
「ペットセメタリー」を勧めたのだろうか・・・・?
僕はもしかして・・・好奇心から友人を実験台にしたのでは・・・

中島は学校で開口一番にそのことを磯野に謝ろうと
そう心に決めていた。


中島は登校中、磯野を探したが見つからなかった。

(先に着いているのか?)

しかし、学校に着いた時家に迎えに行くべきだったとすぐに後悔をした。
磯野カツオは学校にきていなかった。

花沢「なーにをキョロキョロしてのよっっ」

後ろから肩を強打され、中島は咳き込んだ。

花沢「あーらごめんなさい。ちょっとやり過ぎちゃったかしらん」


中島「あのさ・・・花沢さん・・・磯野・・・・今日来てないよね」

花沢「あら?そーみたいね
   おかしいわね、馬鹿は風邪引かないっていうじゃない?ガハハ」

中島「ああ、そうだね」

中島は冷めた口調でそう言い返すと、席に着き、机の上に肘を着いた。
中島は今日ばかりは花沢の真っ直ぐな明るさに付き合うのが
面倒でたまらなかった。

花沢「なーーーーによーーーー中島君
   何か暗いんじゃない?ねえかおりちゃん?」

かおり「そうね・・・・もしかして喧嘩とかしたのかもしれないわ・・・」

花沢「でもそれで休むのはおかしいわよ、
   多分磯野さん家風邪が流行っちゃったんじゃないかな。
   ワカメちゃんも今日見なかったし・・」

その何気ない花沢の一言が中島の耳に突き刺さった。

中島「な・・・・・・何だって・・・おい・・・」

花沢「何よいきなり擦り寄ってきて気持ち悪い。
   今日来てないんじゃないのワカメちゃん」

中島「そんな・・・ちょっと見てくるよ」

かおり「どうしたのかな中島君?」

花沢「ロリコンにでも目覚めたのかしら」

花沢は焦り教室を出る中島を豚のような声を上げて笑い飛ばした。


中島はワカメのクラスを覗き、隈なく彼女を探したが
やはり何処にも彼女は居なかった。
そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り響いた。


担任「よーし授業始めるぞーーん?磯野は居ないのか?」

中島「先生、磯野が何で休んでいるのか聞いていないんですか?」
中島は立ち上がって担任に問い掛けた。

担任「いや、聞いていないが?」

中島の疑惑は既に確信の域にまで達していた。

所有者と同じ魂が帰ってくるとは限らない。
中島はそのフレーズを小さく口の中で繰り返した。


中島「せ・・・先生」

担任「どうした中島」

中島「ちょっとお腹が痛くて・・・」

担任「そうか・・・じゃあ保険委員・・」

中島「大丈夫です、自分で・・・自分で行きますっっ」

担任「そ、そうか大事にな・・」

中島は帰宅の途につきながら、
もう一度あの本を詳しく調べてみようと思った。

(磯野・・・ごめん・・・本当は俺・・・・
 あの墓に埋めたら何かが起こるだろうって
 少し・・・思っていたんだ・・・・)

中島には隠れた趣味があった。
その師こそ・・・浪人生でいざという時に頼り無いが・・・
人一倍民俗学、郷土研究を愛する男

そう・・・中島の実の兄である

そして・・・これはカツオには言うまいと
していたことがあった・・・
中島にはその自分が確実に犯したであろう過ちが
胸に一つ楔となって残っていた。

中島はあの時・・・・
裏山のペットセメタリーにカツオに気づかれないように
それとなく誘導していたのだ・・・。







ペットセメタリーの正確な場所を中島は把握していた。
何せ、以前兄と二人で訪れたことがあるのだから。

実際その現場に行ってみるまで半身半疑だった中島も、
そこに立てかけられていた朽ちかけの木の看板。

英語でペットセメタリーと書かれたその看板を見て、
兄の話を信じるに至ったのだ。

喜んで学校中の奴らに話したら、あれでもない、
これでもないと勝手な尾ひれがついて、
最早中島の手の届かないところでその物語は、
まるで昔から存在したかのような真実味を帯びていった。

(そうさ、兄貴だ。兄貴に聞けば何かが分かる)


話を詳しく聞かなければいけない。

中島はそれがカツオの為になるのかは分からなかったが、
今となってはこれは自分の義務だと感じていた。

磯野とワカメちゃんが何故休んだのか僕には分かる。
タマが死んで、良く分からない
墓地なんかに埋めたのがバレタんだきっと。
ショックだっただろうな……。
僕だけ、のほほんと学校の授業なんて受けていられない。
全てを調べた上で磯野の家にお見舞いと称して行こう。

プリンでも持って行けば、少しは悲しむあいつの心も癒されるさ。


ここで一旦話は切れる。忘れられたエピソード4。

前日、晩、サザエ。

「ったくもう何処まで行ったのかしら」

サザエは肩にかけた毛布を引き寄せ、
足から立ち上る寒気に身震いした。
しかし、深夜の桜新町は静まりかえり、
人の気配は何処まで行っても無さそうだった。

(入れ違いになったのかしら)

欠伸を一つしてサザエが帰ろうとしたその時だった。
突然闇が動いたかと思えば
眼前にその姿を現したのは異形の化け物だった。

「何よこれ……?」

化け物は唸り声をあげて今にも飛びかかろうとその態勢を整えていた。

「ふんっっ喧嘩を売ってるの?やったろうじゃないの」

サザエがそれを死んだタマだと気づくことはなかった。





エピソード5

「ああめんどくせえ」

サブは家に帰る途中だった。こんなにも遅くなってしまった。
これじゃあ、もうすぐ朝になってしまう。
注文を聞き間違え大将にこってりと絞られた後、
付き合いで深夜遅くまで飲まされていたのだ。

「ったくあの酔っ払い、残業代も出ねーってのに
 引き止めた挙句に、飲酒でバイクは不味いだの、
 今日は泊まっていけだのと、馬鹿野郎ふざけるなってんだ」

ふらふらと蛇行で運転するそのバイクに
突然飛び出してきた何かがぶつかった。

「何だあ?」

吹き飛んだそれはコンクリート塀にぶつかり地面に倒れ伏した。
暗闇の中に照らされるその奇妙な姿。
良く目を凝らして見ると、それは猫ぐらいの大きさだったが、
動物というよりかは肉塊のようだった。
ヒクヒクと蠢くそれを見てサブは気味が悪くなった。

「わ、わりいな。じゃ、お休み」

この時、獣塚の鍵をサブが殺したことを、誰も知らない。



中島の兄は初めて学校をサボり、
自室に突然やってきた弟に驚きながらも、
それを激しく咎めることは無くテーブルに
入れてあった温かいジャスミン茶を可愛い弟に勧めた。

「んで、わざわざ学校サボって俺の部屋に来た理由が
 世田谷の歴史について知りたい?
 なんだいそりゃ、何かの冗談かい?」

「いいから、お願いだよほら、以前言っていたじゃないか」

「戦国時代で良いのか」

「そうそう、兄貴頼む」

中島の兄は頭を掻いた。
我が弟はこんなにも勤勉だっただろうか、
磯野君と野球に打ち込むいつもの彼とは少し違っていた。

「ああ、まあちょっと休憩をしようと思っていた所だ。
 別に構わないよ、でもお前、俺から聞きかじるだけで充分、
 こんな難しい本読みたくもないって言ってたじゃないか?」

「少しだけ、興味が出てきたんだよ」

兄はふうんと言って手近にあった本を取り出し弟に渡した。
タイトルは戦国時代の世田谷。まんまである。
中島は紫色に金の箔押しがしてあるハードカバーの本を受け取ると、

緊張した面持ちでその最初のページを捲り始めた――




戦国時代。世田谷付近の支配者は世田谷城を本拠地とする吉良氏だった。

吉良氏は室町幕府将軍足利氏に縁続きの家柄で、三河・遠江守護などを兼ね、
東海一の弓取りと賞賛された大大名今川氏とも縁続きの家柄。

(吉良氏と言えば、真っ先に思い起こされる、いわゆる「忠臣蔵事件」で赤穂藩主浅野長矩に
刃傷に及ばれた高家筆頭吉良上野介義央とは遠縁だが、直接の祖先ではない。
吉良氏は鎌倉時代中期に足利義氏の子義継が三河国吉良荘の地を与えられて
吉良氏を名乗ったのが始まりで、こちらが「忠臣蔵事件」の吉良氏の祖先で三河吉良氏と呼ばれる。

一方今回話になっている世田谷吉良氏は足利義氏の子で義継の弟にあたる長氏の長男で
満氏が吉良氏を名乗ったのがその始まりである。

ちなみに、
満氏 の弟国氏が三河国今川荘を与えられて今川氏を名乗ったのが今川氏の始まりである)



吉良氏は南北朝時代に奥州探題として東北地方に拠ったがのち奥州を去り、
各地を転々としたのち、鎌倉公方に属して関東に入り、
吉良頼高が室町時代後期から戦国時代初期までには
小田原の北条氏に属して武蔵世田谷に入りました。

こうして戦国時代には小田原北条氏の許、氏朝まで5代に渡って繁栄したのである。



勉強ゾーン   終



「……これじゃあキリが無いよ、兄貴、前に話してくれた
 戦国時代のペットセメタリーって話あったろ?
 それについて載っている箇所を教えてくれよ?」

「……出来ることなら俺はお前に成り立ちから知って欲しいんだけどな、
 継ぎ接ぎの知識なんて何の役目にも立たないぞ」

兄はぶつぶつと小言を言いながら、
棚に収められた膨大な資料の山を繁々と眺めた。


「頼むよ兄貴、薀蓄には今度付き合うからさ」
兄は思い出したように笑う。

「そう思えば、お前は随分あの話気に入ってくれていたな。

でもな、あの話は


・・・・・・・ただの俺の作り話だぞ」

兄は弟にとってとても重大なことをサラリと言ってのけた。

「え?」

この兄は突然何を言い出すのだろう。
中島は此方の熱の伝わらぬ兄にやきもきしていた。



兄「そんな顔しなくても、少し考えれば分かるだろう?
  世田谷の郷土資料に何でペットセメタリーなんて語句が飛び出すのさ? 
  此処は暦とした日本国だぜ?」

中島「じ、じゃあ何で……そんな、嘘だろ?」

兄「嘘じゃあないさ、原作はかの有名なスティーブン・キング。
  ホラーとしちゃあ中々の傑作さ。お前も見てみると良い」

中島「嘘だったのかよ、だって兄貴……
   あそこに英語でペットセメタリーって――」

兄「ありゃスティーブン・キングのいちファンとして
  の俺の可愛い暴走だよ意外に良く出来てたろ?」


中島「そんな……じゃあ初めからあの場所は……
   ただの何でもない裏山だっていうの?」

中島は心の奥底から笑いが込み上げてきた。
ただの自分の勘違いだったのだ。

が、次に兄が発した一言によって、
すぐに、笑ってはいられないということを中島は理解する。


兄「いやそれも違う。あの裏山の歴史とスティーブン・キングのペットセメタリーには
  面白い共通点がいくつかある。だからこそ両方のファンである俺が目をつけた訳だ」

兄は取り出した分厚い本を中島に手渡した。

兄「ほら、あったぞ。この本の……確か百二十五ページから先だ」

兄は何かを言いたげな弟を制して、とりあえず呼んでみな。と促した。

その内容は戦国時代世田谷を統治した、
吉良氏の呪術研究について記された本だった。



第三節、人身御供となった領民

戦国時代、呪術の力をもって、
戦国の世を我が物にしようと画策していた吉良氏は
呪術師の進言により、地位の安定、ひいては向上を図るため、
毎年領土から神に捧げる生贄を
鴎神社と呼ばれた神社に供え、
その神社の裏の山を獣塚と呼び、纏めて埋めていた。

その役目を課された獣追い祭では、
その年の災厄を祓う為という表面上の目的を担い、
「獣追人(けものおうひと)」と名付けられ、
そう呼ばれた一部の村人達を使って、
道端や街道に居た獣や畜生を片っ端から集めては殺していた。

しかし、いくら獣を殺しても、
吉良氏が強大な小田原の北条家を越えることは出来なかった。

このままでは天下を取ることは出来ぬ――。

焦った吉良氏の許で、獣追い祭りは段々とその性格を歪めていき、
単なる獣、畜生では神がお怒りになるとした吉良氏は、
一部の有力者達の助力を得て、

ついには動物の代わりに人を立てることにした。

同じ呼び名だが、持つ意味はまるで違う……
追う側から追われる側の意味を指すことになった言葉、
畜生の代わりにその責任を負わせる
「獣負人(けものおうひと)」
として生贄を立て始めたのである――。

獣負人には誰がなるのかまったくわからなかった。
名前を変えた毎年の獣負い祭りは最早、村人達にとって単なる災厄だった。
往還の村人を無差別的に捕えてくるという獣負い捕りが行われた。
獣負人を誰にするかという選択は獣負人を捕えに行く集団が
最初に出会った者という偶然性に委ねられていたのである。

そこでは槍や刀で武装した者達が、集団となって獣負人を捕えに向かい、
そして運悪く獣負人として捕えられた者は、彼らに殴る、蹴る、刺す、切るの暴力を受けながら
神社まで無理やり連れて行かれるのだ。
要するに、この獣負い祭は、確実に死に至る獣負人に誰がなるのかわからないという
領民全ての人達の恐怖と緊張の上に成り立っていたのである。



兄「読んだか?」

中島「うん、こんな風習があったなんて」

兄「そしてな……こっちの文献はもっと貴重だぞ」

そういうと中島の兄は古めかしく埃を被った本を取り出した、
文献と呼びはしたが、厚さはそれ程無い。

中島「それは……」

兄「歴史の裏に隠されたエピソードだ。
  この兄が中身について教えて進ぜよう」

結局兄の薀蓄からは逃れられないのか、と
中島は諦め、兄の話に耳を傾けることにした。


兄「それは悲しい事故、って言っても自業自得なんだけどね、
  ある年のこと、いつもの如く祭りによって家来に捕らえられた娘が居てね、
  なんとその娘は吉良氏御付きの呪術師の娘だったのさ」

中島「でも助かったんでしょ?」

兄「そう、家来も勿論助けるものだと思ったから捕らえてはみたものの、
  傷つけることなく神社へと連れて行き、吉良氏に聞いたんだ」


兄「この娘、隣に坐る呪術師の娘にして、一人娘に御座います。
  如何いたしましょうってね」

中島「その時、呪術師は?」

兄「そりゃあ吉良氏の隣で怒り狂ったさ、
  娘を獣負人とするなんて何たる不届きっ、てね……だけど」

中島「まさか……」

兄「そう、そのまさか」

「貴賎の別無し例外は一人として許さぬ、それは神に対する冒涜行為だ」


兄「呪術師は吉良氏の言葉に耳を疑い、困惑した。
  しゃがれた声で慌ててこう言ったんだ」

「お……お願いします、何かの間違いです。
 娘を生贄にするなど、親の私の気持ちを考えてください。
 たのみます、たのみます」

兄「膝をつき、額を地面につけて、
  呪術師は泣きながら何度も何度も頭を下げた」


兄「その時さ、家来の一人が即興で歌ったんだよ、
普通そういう場で歌を詠むなんてことは考えられなかった。
畏れながら、なんてもんじゃない、打ち首覚悟の独り歌さ」

中島「な、なんて言ったの」
中島はゴクリと重い唾を飲み込んだ。

「犬は 野良 人は 畜生 区別なし
 いとしい娘は 誰ぞも 知らん
 何の違いも ありゃせん ありゃせん」


中島「それって……」

兄は顎に手をやり、短い髭を撫でた。

兄「飼い犬は野良犬のような扱いを受け、
  人である筈の者も畜生のような扱いを受ける。
  そこに区別は無い。例え愛しい娘であっても
  誰も知らない、知ったことではない。
  いったい何の違いがあるのだろうかっていう意味さ」

中島「す、凄い歌だね。それ」

兄「ああ、その呪術師を皮肉ったフレーズは節をつけられ、
  二番、三番と歌詞も練られてその当時流行ったらしい。
  余程恨みをかっていたんだろうね、
  もしかしたら歌った家来の娘も捕り殺されていたのかもしれない」

兄「そして……親である呪術師の前で娘の拷問は始まった」

娘の白く柔らかい肉は刀で容易く削げ落ち、
進みを止めるとその肉は腿から垂れ下がるようにして宙で揺れた。
骨を粉々にするように叩き、限界まで間接を伸ばし舌を抜き、目を穿り、指を取る。
それでもその娘は父である呪術師に恨み言の一つも告げず、
血の華を咲かせながら最期を迎えるその時まで微笑を浮かべていたそうだ。

その呪術師は三日三晩泣き通し、叫び、怒り狂ったと言われる。
そして四日目の朝、吉良氏の枕元に立ち、恨みがましくこう云ったと伝えられている。

「獣にもこころあるやふ、哀しその御霊を、我がいとしきまなむすめの御霊によりそひ、
 あわせて叶へたまへ、人追ひ、まさしく負わせたまへ」


中島「どういうこと?」

兄「殺された獣にも心がある。その魂を集め、
  あの世でも寂しくないように愛しい娘に寄り添わせよう。
  そしてその魂を、人に遭わせて、人を追わせ、
  罪を負わせてくれってことかな?」

兄「墓地に埋められた魂が罪を負いに人を追う……
  どうだい?スティーブン・キングの名作そのものだろう?」


中島「もしかして……その神社の裏の獣塚って……」

兄「まあ俺の拙い推理ではあるが、お前の通っている
  学校の裏山に位置していると睨んでいる。
  まあだからこそ、あそこにペットセメタリーなんて
  いう看板を立てた訳だけどな」

中島「なら……学校は」

兄「お前が想像している通りだ。
  縁起が良くないって取り壊された鴎神社のあとに建てられたのが
  お前の通う、かもめ第三小学校さ」。

しばらくの間、室内を重苦しい空気が流れていた。
中島は何も知らなかった。自分達の住む街に存在した悲しい歴史を。

中島「……でも、でもそんなの逆ギレじゃないかっ
   自分で大量の人を殺しておいて」

兄は意味ありげに口許を緩めた。

兄「ところが、この兄から言わせると、少し違った話が見えてくる」

中島「どういう事?」

兄「想像してごらんよ、お前なら愛する我が娘を祭の日に
  簡単に捕らえられるようなところに置いておくか?」

中島「そ、それは」

兄「恐らく、吉良氏は天下統一を諦め、
  北条家に完全に恭順することを誓った時、こう考えた」

兄「この祭の真の意味を知られてはならぬ……ってね」

兄「元々呪術なんてのは相手を呪い殺す為のものだ、
  国を挙げてそんな物騒なもんやってたなんて、
  呪っていた相手に知られたりしたら困るのさ」

中島「ってことは口封じ?」

兄「そう、吉良氏は全ての責任を結局呪術師に背負わたのさ」

中島「でも、自分から提案したんでしょ」


兄「人をいくら殺してもかまわないなんていう暴虐な王様に、
  何か方法を捻り出せと言われたらお前も困るだろ」

中島「で……でも」

兄「まあそれ以上は分からない、
  でもそう考えるだけで浪漫が生まれると思わないか」

中島「ちっともロマンチックなんかじゃないよ」

兄「イイや、浪漫を感じずにはいられないよ、きっとお前は」

中島「何だよ兄貴、言いたいことがあるなら言えよ」

兄は悪戯っぽく笑った。この兄はいくつになってもこの調子だ。


兄「びっくりするぞーーお前、吉良氏についていた。
  その呪術師の名前……分かるか?」

中島「分かる訳ないだろう」

兄「いや、お前も知っているさ苗字だけなら」

中島「えっ嘘?教えてくれ兄貴、それ誰のこと?」


兄「その名を伊佐坂氏胤――……もう分かるだろ?」

中島「兄貴、それ……その伊佐坂って……」

兄「ああそうだ。伊佐坂さんのトコだよ。
  あの家は呪術師の血を受け継いでいるのさ。
  良いよなあ、戦国から脈々と続く呪術師の家系なんて
  ロマンチックだと思わないかい?」

中島「この本借りるね。ちょっと僕、伊佐坂さんの家行って来る」

兄「おい、どうしたんだよお前いったい?」

引きとめようと弟の腕を掴んだ兄は、
見せた事の無い真剣な彼の眼差しに気圧され、すぐに離した。


中島「行かなきゃいけないんだよ、
   ここまで来たら僕は全てを明らかにして
   磯野に報告しなくちゃいけない」

兄「そうか、なら一つだけ言わせてくれ」

中島は黙って頷いた。

兄「浩、お前が何を考えているか知らないが、
  俺は民俗学や郷土史に興味があるし、
  ペットセメタリーなんていうホラーも大好きさ、
  でもだからと言ってホントに人を殺せるくらいの
  呪術があるだなんて思えないよ……
  本当にあるとするならそれは……
  心理的に追い詰められた人間の単なる暴挙なんじゃないかな?」

中島は何も言い返さなかった。
そして、「行ってくるよ」と声をかけ、兄の部屋を後にした。



伊佐坂家――

伊「いやいや、これは突然どうしたのかな?」

中島「先生にお話があるんです」

伊「学校はどうしたんだい?良いのかい?」

中島「・・・・大事な話なんです」

その様子から伊佐坂は何かを感じ取った。

伊「そうか、まあ入りなさい」


中島は今までのことを全て包み隠さず話した。
伊佐坂は子供の言う事と笑わず、真剣に話を聞いてくれた。

伊「成る程、しかし驚いたな。その資料は今何処にあるんだい?」

中島「僕が今、持っています」

伊「ほう……成る程……ここまで詳しく書いてあるとは……」

中島「何か知っていることがあったら教えてください」

伊「ああ、教えてあげよう・・・・全てを・・・ね・・・」


中島は自身の体の異変にこの時初めて気がついた。
目の前が霞む、まるで眼鏡をかけていないように、
目の前の人物がぶれる。
強烈な眠気、中島はテーブルに頭を打ちつけてしまう。
まどろみの中で、中島は気づく。
目の前にいる伊佐坂は間違いなく悪だということを。
中島が飲んでいた温かい緑茶の底に、白く輝く粉が溜まっていた。


中島「こ、ここは」

中島は黒いパネルで囲まれた部屋の中心で寝かされていた。
部屋のあちこちに中島が見たことの無い奇妙な物が転がっている。
中にはピンク色にぬめぬめと光る逞しい男性器を模した物もある。

伊「ああ、起きたかね。いや中々調整が難しくてね、あの薬。
  私が楽しむ前に君に死なれでもしたら悔やんでも悔やみきれないところだったよ」

着物の袖を捲くった伊佐坂のその手には輝く包丁が握られていた。

伊「真実に近付くということは、それだけ危険も多い。そうは思わないかね?」

伊佐坂は中島にそう語りかけた。


中島「せ、先生」

体を起こそうとした中島は愕然とした。
両手足首を縛られ、ベッドの上に固定されている。

中島「先生?」

伊「ううん、中島君は知っているかな?SMっていうんだよ。
  私と家内は嵌っていてね。
  そこらに転がっているのも昔からの愛用品だ」

中島「え……えすえむ?」


伊「そう、あれはあんな顔して相当の好きモノでな、
  薄くなった皮に鞭うってやると、
  馬のように涎を垂らして良く鳴くのさ」

伊佐坂は両手に拳をつくり挙げると、馬の鳴き真似をした。

伊「ひとつどうかね君も・・・?
  痛みと恍惚は隣合わせの感情だ家内はそれを良く分かっている」

伊佐坂が拾い上げたシリコンのペニスが
スイッチを入れると同時に激しい振動を開始した。

むいぃぃいいいいいいいいいいいぃいいいい

伊「うむ、良い音だ」


中島「先生はやっぱり……悪い奴だったんだ」

伊「悪い奴って……語彙が貧弱だねえ、何だか可哀想だよ。
  ああ、そうそう
  今頃磯野さん家は大変なことになっているだろうね、
  さっき波平のやつがサブロウに骨折られて苦しんでいたよ。ハハハ」

中島「な、何だって」

伊「おや、まだ半信半疑だったのかな、というよりか、
  もしかして君、カマをかけたのかいこの私に。
  てっきり全てを知っているものだと思っていたよ。

  磯野さん家は今頃全滅だよ」

中島「嘘を吐けっっ」

伊「嘘じゃあないったら、本当のことだよ」


中島「お前か……お前がやったのか?」

伊「馬鹿言っちゃいけないよ、タマを殺したのは僕じゃない、
  タラちゃんなんだろ?僕は何もしていない」

中島「で、でも……」


伊「って言えば、私は永遠に安全な位置で暮していける」

中島「やっぱりっっ何をした?」

伊「おいおい呪術なんてそんな大層なもんじゃないんだ・・・・
  まあ大袈裟に言えば私は物事の確率を
  少しだけずらすことが出来るのさ」

中島「確率を……ずらす?」

伊「そう、つまらん能力だがね、さらに言えば少しだけ
  人を不幸にすることが出来る。
  もしかすれば、ペットが死んでしまうかもしれない程度の影響力
  悪戯な確率を少しだけ不幸な方へ、その揺らぎを生み出す力。
  普通に皆が生活してたんじゃあそんな揺らぎは大した結果を生まない。
  中々上手くはいかないけれど、  最近仕事も無くて暇でね、
  辛抱強く毎日毎日呪いをかけてね、頑張っていたんだよ」


中島「ま、まさか」

伊「タマ死んじゃったねえ、可哀想に・・・
  まあ別に何処の畜生が死のうが正直良かったんだけどね」

中島「お前……」

伊「君があの墓を上手くPRしてくれたおかげで私も助かったよ、
  いくら畜生を殺したところで、
  あの獣塚に埋めてくれなきゃ墓守の呪術は発動しないからね
  ペットセメタリーって言うんだろ?
  元々伊佐坂家が広めていた救済の墓なんていう
  空々しいものよりか全然良いね響きが、
  若い感性とでも言うのかな」


中島「救済の墓?」

伊「ああ、伊佐坂家はその呪術の性格から人に噂を流すのが上手くてね、
  それは単にペットの命を救うという良い噂なんだけれど、
  あまり効果は高くなかったね」

中島「そんな話、聞いたこともないよ」

中島は吐き捨てるように言った。

伊「ハハハ・・・ともあれ昔からあった話と相まって
  ずいぶんと有名にしてくれたもんだ、
  しばらくは馬鹿な人間が出て来るんじゃないかな……
  わざわざ鴨を誘い込んでくれたんだよ君は、笑いが止まらんよ」

中島「クソっ」

僕の……僕のせいだっていうのか。
たまの死から始まった全ての事件それらの全てに・・・
僕が関わっていると言うのか。


涙を流す中島を見て伊佐坂は笑った。

伊「いやいや、私も常々思ってはいたんだよ。
  呪術ってのは卑怯者のやることだなあってね」

中島「よくも抜け抜けと」

伊「いや、本当そう思うよ、自分ではまるで手を下さずに、
  勝手に偉大なご先祖様が
  作り出したシステムが魂を刈り取ってくれる。
  最初に人が死んだ時は怯えた、
  次は震えた、
  その次に奇妙な興奮が起こってね、
  それから後はただただ笑いが止まらなかったよ」

伊佐坂はそう言うと、包丁を研ぎだした。その煌く白刃に自分の顔を映す。


伊「それにしても君、大したものだよ。
  今までで君だけだここまで辿り着いたのは、
  呪術信仰の根強かった昔々ならともかく、
  良くそんな夢物語みたいな話を信じて良くここまでやってきたね」

中島「その夢物語は実在したじゃないか」

伊佐坂は困ったような顔をして言う。

伊「私だって最初は信じていなかったさ、実際人が死ぬまでね。
  いや人が死んでもまだ何処かで疑心はあったが……
  やっぱり若いっていうのは良いねえ、真っ直ぐ、突きつけられた現実を
  キチンと受け止めることが出来るんだから。
  頭の硬い大人じゃ、私に喰ってかかる奴なんて居よう筈も無いんだ」

伊佐坂は少し残念そうな顔をしてそう言った。


伊「まあ、私もそろそろ引退さ、息子の甚六に
  墓守の力を譲り渡そうと思っている。
  あれも親泣かせの遊び人だが、
  自分の高貴な血統を知りその役目を知れば変わってくれるだろう」

中島「何で、何でそんなことをする必要があるんだ」

伊「知りたいかい? 天下をね……統一するんだ」

中島「天下を……」

伊「そう、数え切れないほどの人の魂をもって、
  偉大なるご先祖様の伊佐坂氏胤の悲願は達成されるのさ」

中島「氏胤はそんなことを思ってあの塚に呪いをかけたんじゃないっっ
   娘を殺されて……」


伊「そうだそうだ、誰に吹き込まれたのか知らないけど、
  君そんな馬鹿みたいな持論を展開してたね、
  違うよ、別に氏胤は娘なんてどうでも良かったんだよ」

中島「嘘だっ」

伊「嘘じゃないよ、何処で歴史なんて曲げられるか
  分からないよねえ、まるでおとぎ話だ」

中島「歌が……当時氏胤を皮肉ったっていう、歌があったじゃないか」

伊「あれは氏胤が娘の前で、娘に向けて歌ったものだよ」

中島「な……」

伊「歴史っていうものは受け取る人によってその姿を歪めてしまうのさ」

伊佐坂は刃文を指でなぞり、うっとりとした顔を見せた。


伊「もう良いだろう聞きたいことあるかい?
  私も一応作家を生業としているものでね、
  君の好奇心には理解があるし、
  ここまで来たことへの尊敬の念もある。
  可能な限り受け付けよう」

中島「まだ二つ言いたいことがある」

伊「よし、聞こうじゃないか」

中島「何で僕を殺そうとする、お前のいうとおり、
   いくら声を大にして言っても、
   僕の夢物語なんて誰も真面目にとりあいはしない。
   こうして僕を殺そうとすること事態がお前にとって、
   自ら危険を冒すことになる」

伊「うーーーーーーーーん、良いな。
  最期に良い質問だ。それには三つも答えがあるぞ」

中島「言ってみろよ」

伊「一つ目、完全に単なる趣味。人をこの手で殺したかったんだ」

伊「二つ目、君は夢物語って言うけどねえ。
  僕は心配性なのさ。
  資料もあるとなると、黙ってはいられないねえ」

伊「三つ目、最近本業の方が芳しく無くてね、
  表現の幅を広げる為に仕方なく、君を解体しようと、
  私の崇高なる作品の為に死んでくれるよね?」

伊「さて、もう一つは何かな?」

中島「……やろ……」

伊「えっ良く聞こえないよ、なんだって?」

中島「死んじまえっこの糞野郎って言ったんだっっ」

伊「何を馬鹿なことを死ぬのは君だよ」

伊佐坂が刃を振り上げた時、
その背中に調子外れの声がかかった。


「あれれ、お取り込み中ですかね?」



中島「あ、兄貴っっ・・・」

ピンクのマフラーにハンチング帽をかぶった
いつものダサい兄貴がそこにいた。

兄「どういうことですかね、これは……伊佐坂先生」

伊「勝手に人の家に入ってくるなんて、感心せんなあ・・・
  いつからいたんだい?」

兄「先生の話は大体聞きましたよ。靴があるのに、どこにもいない。
  おかしいと思ったらこんな趣味の悪い地下室作っちゃってまあ」

兄「まあ可愛い弟をそんな風に縛り付けているってんで、おあいこってことで」

伊佐坂は高笑いをして、包丁の切っ先を兄に向けた。

伊「中々ユーモアのある青年だが、君みたいなありふれたキャラクターは
  今日び担当にも読者にもウケが悪いんだよ」


兄「先生の便所の落書きにも劣る作品に登場予定はありませんよ」

伊「なん……だと……」

伊佐坂の雰囲気が変わったのが中島には分かった。

兄「聞こえなかったのかな?何冊か読ませてもらったけどねまるで駄目。
  古典は古典だから面白いんだよ、
  お前みたいな一応現役がいくら模倣したところで
  単に古臭くて回りくどいだけだ、分かるか老害?
  そんなんだからいつまで経っても――」

「黙れーーーーーーーーーーーっっっっ」

猛る伊佐坂を兄は鼻で笑う。




兄「本が売れやしないのさ」


弟を助けにやってきた勇ましい兄が、隠すように
握り込んだ手の中は多量の汗で溢れ、
搾れそうな程だった。

伊「許さん……許さんぞ」

兄「何がですか、そうだ。売れない作家はニートと同じって
  僕の友人が言ってましたよ」

伊「まとわりつく羽虫の分際でこの伊佐坂を愚弄することは許さんぞっ
  たかが浪人がっっ凡庸で、
  痘痕で凸凹のメレンゲのような中身を持つその頭を垂れろっ
  私の伊太利職人手製の洒落た革靴を、
  その不健康に脂ぎった頬で磨けっ
  私の前で醜く悪臭を放ちながら晒すその存在を
  許して欲しいとただただひたすらに哀願しろっ」

兄「それが、あなたの隠していた本性ですか?」

伊「五月蝿い五月蝿い五月蝿い、黙れ、貴様を微塵に刻んで
  その死肉をフードに混ぜて庭のハチに喰わせてやるっっ」

切りつけようと振り回すその刃先を、
兄はかわし、円を描くように距離を取る。


慌ててはいけない。冷静にことを運ばなくては――。

兄(包丁を持っているよぼよぼの爺さんと、
  運動不足の浪人生は比べたらどっちが強いのかな)

この答えは実はもう出ていた。
この狭い室内という状況において、一対一で相対した時、
リーチのある刃物を持たれた時点で
兄の勝率は限りなく低かった。それは兄も良く分かっていた。

さらに加えて、捕らえられている弟の無事を
確保しなくてはならない為、
上手く挑発をしなくてはいけなかった。

実は中島を人質に取られた場合、
兄の敗北は決まっていたのだ。

しかし、伊佐坂はどうにかして
目の前の生意気な若造に一太刀入れてやろう――と、
既に頭の中はそのことで一杯だった。

そんな怒り狂った伊佐坂を前に、
中島兄に確固たる勝算はなかった。


中島「兄貴・・・兄貴」

伊「死ね・・・氏ね・うっ」

兄を追いかけ包丁を振り回していた
伊佐坂が態勢を崩した瞬間、
中島の兄はその懐へと飛び込んだ――


手は首に届いていた――
湯葉のような薄皮一枚で守られた伊佐坂の首・・・
一撃で捻ればことは足りた・・・・・・が・・・・

中島の兄の腹部には伊佐坂の持つ包丁が突き立っていた。

兄「あ・・・ああ・・・」

伊「馬鹿な奴だ。少し隙を見せてやったら
  自分から飛び込んできおって・・・それ・・」

伊佐坂が拳を半周回そうとする度、
引っ掛かる肉が音を立てて血とともに削げて落ちた。

伊「やはり刺突には向いているが・・・
  こうしてかき混ぜるには不便だな・・・そら・・・」


兄「ぐあああああああああああああああああっっっ」


伊佐坂は首を傾げると、突き刺した
腹から下腹部へと切りすすんでいく。
拡張された腹部からは千切れた臓物が溢れ出てきていた。

伊「ふむ、良く切れる」

兄「・・・がっ・・・・・・あ・・ああ」

中島「兄貴・・・兄貴・・・・・アニキーーーーーーーー」

伊「もっとだ、もっと。。。ハハハ・・・凄いぞ・・・
  この色・・・・本物だ・・・艶めくピンクなどではない
  これは何と表現したら良いのだ・・・ああメモ帳が欲しい。
  この興奮を今すぐ書き殴りたいっっ」

刹那――兄が気を失おうかというその時、
無意識に兄の手は伊佐坂の口の中に入っていた

伊「ひゃ・・おえ・・・」

伊佐坂は慌てて包丁を捨て、
その手を掴み、引きずり出そうとしたが、
死に際の兄の力は・・・老人ではかなわなかった。

兄「・・・・」

伊「ご・・・ごごご・・」

伊佐坂は眼球が天井を向いたまま動かせなかった。
手が・・・喉を通っているのだ
じたばたと体を動かし、口から腕の隙間を通して
血液と胃液が漏れ出ていた。
鈍く光る赤色が混じった糞尿を撒き散らした時、
伊佐坂は口を手に突っ込まれながら絶命した

中島「あ・・・・アニキ・・おいアニキ・・・」

兄はもう返事をしなかった。目を開いたまま膝を崩し体を倒した。

中島「兄貴ーーーーーーーーーーーーーっっ」




そして物語は――磯野家へと戻る・・・

サブ「ア バ ヨ ---------ハハハ」

サブが引き金を引いた瞬間。
タラオの眼前が光り輝いた。


サブ「ハハハハハ・・・ハ? えっ・・・」

サブが銃を握っていた筈の右手・・・・が、無い。
手首から先にかけて、裂け崩れた肉の花が咲いていた。

タラオは酷い耳鳴りにこめかみを押さえた。

サブ「て・・・てめえ・・・
   こんな粗悪品掴ませやがって・・・コロシテやるっっ」

サブはその小さなタラオの顔を片手で持ち上げた。

タラオ「痛い・・・痛いですっっ」


こめかみを通して圧迫される眼球が浮き上がり、
今にも飛び出しそうになっていた。

タラオ「いたいーーーーーー痛いですーーーーーーーー」

サブ「ここで終わりですーーーーフフっっ・・・

ハハハハ・・・・



あーーーーーーっはっはっはっ」



タラオが意識を失いかけた時、
体は畳みの上に放り出された。

タラオ「え・・・・」

サブが体を変な方向にまげて、
光の無い瞳孔でタラオを見つめていた。

タラオ「こ・・・これは・・・どういうことですか・・・」

伊佐坂が死んだことによって・・・
人形はその効力を失っていた。
氏胤のかけた呪い・・・その本当の仕組みに気づいている者は
誰一人として居なかったのである。

動物を獣塚に埋葬することによって
その動物は鍵となり、人を襲う
鍵に襲われた人間は埋葬しなくても
その呪力を取り込み、人形と化す。

人形は人形を一体ずつしか生み出せず、
また新たな人形を誕生させた以前の人形は
自らを埋葬し、その魂を伊佐坂家に捧げる・・・

人に永らくばれぬよう・・・
それは氏胤が考え出したルールだった。

これこそが獣塚にかけられた呪術だった。


しばらく腰を上げることが出来なかった。

それほどの恐怖とショックをタラオは受けたのだ。

その時、玄関の開く音がした――。

タラオは這いながら部屋を出て、その来客者を確認した。



その姿を目に映した時・・・タラオの目から涙が溢れた・・・。
いつものパーマ、派手な色だが単色の安っぽいスカート
地味な刺繍のセーター・・・

サザエ「あら?どうしたのタラちゃん?泣いちゃって」

タラオ「ママーーーーー」

タラオは母の胸に飛び込んだ。
懐かしくて、優しい母の匂いがした・・・。

サザエ「どっどうしたのっ体中傷だらけじゃない?」

タラオ「怖かった・・・怖かったですーーーー」

サザエ「あら・・・皆はどうしたの?」

タラオ「皆・・・皆・・・あ・・・
    おじいちゃんが・・・おじいちゃんが・・・・」

サザエ「おじいちゃんがどうかしたの?」

タラオは波平の無事を願った。


タラオ「おじいちゃんが死んじゃうですーーーーっっ」

サザエ「そう・・・でも・・・・




あ な た も も う シ ぬ の よ 」

壊れたテープレコーダーのようにゆっくりとした・・・
低く口の中で反響するような声だった――



タラオの瞳は現在を映すのをやめた
その濡れた瞳は・・・今もなお焼き残る。
優しかった母と・・・大好きな家族を思い出していた――

タラオ「ママ・・・・マ・・・マ・・・」

次々と光景が目の前に蘇っていく。
この玄関で迎えた皆・・・大好きだった家族・・・。

カツオ「ただいまタラちゃん」
ワカメ「ただいまーーーあら? タラちゃん ただ今」
マスオ「ただいま、おおタラちゃん、元気にしてたかい?」
フネ「ただいま、タラちゃん」
波平「おお・・・お出迎えしてくれたのかい? タラちゃん」

サザエ「ただい・・・タだ・・・・・い・・マ・・」

幸せな過去をタラオは最期見た。
その映像は途切れ・・・
変わり果てた母の声が聞こえてきた時・・・
カキッカキッと・・
タラオは自分の首の骨が折れる音を聞いた
口から血を含んだ泡を吐き、
白目を向いたタラオは既に事切れていた

サザエ「ウフフフ・・・ウフフ・・・
    フフフフフフフフフフフフフフフフフフフ・・・・
    フフフ・・・ハハハ。。。」

サザエはねじ切った我が子の顔を
右手で胸に抱き、左手で脇に抱えると、
また元の塚に戻るべく・・・・
その足を裏山へと向けた・・・。



その後・・・息子の甚六によって通報され、
世田谷署の警官が向かった地下室で
中島の兄と伊佐坂の死体は発見された。

そこで四肢を固定され、惨劇を目の当たりにしたと見られている
警察に保護された中島は正常な意識を保ってはいなかった。

中島「あ・・・あは・・・あにき・・アニギ・・・」

救急車に搬送されようとした時、
集まった警察官のうちの一人が無線に向かって何かを言っている

・・・それは薄れゆく自我の中で中島の耳にも届いた

警官「殺人?そっちもか?ガイシャは?家の中に三人も?
   え・・・ホシは・・・死んだ・・・?
   おい・・・死んだってどういうことだ?
   まさか殺したのか・・・えっ・・・
   初めから死んでいたって・・・?」


中島は思った。
獣塚に行かなくちゃ駄目だよ・・・
きっとあそこに残りの人が埋まってるんだ・・
でも、もう僕は声をあげることは出来ない・・・
すぐに皆見つかって大量の死体を警察が発見した時・・・
もう誰も、あの塚に近付く者はいないだろう・・
もう誰も・・・誰も・・何故なら・・・
真犯人は兄貴が・・あ・・アニギ・・・

中島「うううああああああ・・・・
あああああああああああああああああっっっ
あああアアアアあああああああああああああああああああ
あああああああああああアアあああああアああああっっっtぅtっ」




事件が明るみになる晩――。

衝撃的な磯野家の惨事が速報で、
日曜のお茶の間に届けられる頃。
かおりと花沢の二人は暗い山道を登っていた。

花沢「ったくもう、辛気臭いトコなんだからん」

花沢はスカートの裾を気にしながら、
枝木を手で払い、足にかかる根を蹴り退けた。
かおりはその後を泣きながら追う。

花沢「かおりちゃん、泣いていたって
   何も始まんないんだから、ねっ、元気出して行こうよお」

かおり「でも……でもピーちゃんが、私・・・大切にしていたのに」

花沢「そのインコちゃんが死んだのはかおりちゃんのせいじゃないってばあ」

かおり「でも、私が……目を離していたから……」

花沢「んもう、仕方ないでしょ、死んじゃったんだから」

花沢の人の心を踏み荒らすような励ましは、
傷ついたかおりの心をさらに砕いた。
かおりは俯き、立ち止まってしまう。
花沢は苛立ちを隠そうともせずに言う。

花沢「ああ、もうメンドクサイ。
   あんたの為にここまで来てあげてるんだからね。
   大丈夫よ、前に中島君も言ってたじゃない鼻を高くしてさ」


「ペ ッ ト セ メ タ リ ー に入れれば大丈夫って……」


――――――――――――――――――――――――――――――完








2008⁄12⁄23 16:06 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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初めまして


atoha


おやっさん、後は頼む。。。Zzzzz





2008⁄12⁄23 16:02 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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一番強い奴でて来いや~の巻き!


ど~も~、
グリ娘で~す。
本日の日記ですが。

昨日の2008M-1

みなさんはどう思いましたか。

なんか全体的にレベルが低かったような
気がするんやけど。。。

毎年何組かは声を出して笑うんやけど
今年は。。。

2005M-1ブラックマヨネーズ
2006M-1チュートリアル
2007M-1サンドウィッチマン

このコンビは腹抱えてわろて
ビデオで何度も見直し
文句なしの優勝やったけど

今年は。。。

なんか一組だけ除いて
みんな横一線だったような気がします。

とにかく4分しかないので
ボケの数とスピードが今のM-1では
重要視されてきてるよな。

ゆったりした漫才で笑いを取る漫才師もいてるから
それが本当におもろい奴を決めるNo1ってのは
どうかと思うよ。

今回のナイツ.NON STYLE
それと優勝者のブラマヨ.チュート.サンドも
序盤からとばしてきたよな。

だから損してるコンビもいてるんよ。
オレ的には「ダイアン」は評価よかったよ。


あと、上沼恵美子やオール巨人が
出場者に対して、自分の番組に
でた事があるとかメールしてるとか、
吉本びいき的なコメントに少しイラッときたよ。。。

決勝に行ったコンビの中では
NON STYLE が一番妥当だったような気がします。

キングコングはあんなもんやろ
オレの中では一番おもんなかったよ。


まぁ、なにわともあれ

NON STYLE 優勝おめでとうございます。


※写真で一言。
「85点.90点.88点.95点.87点.91点」

5005fbab.jpg





2008⁄12⁄22 23:59 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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イッツ・マイ・ライフの巻き!


ど~も~、
グリ女優で~す。
本日の日記ですが。

まいど!
今年一年色々あったけど
そんな中、一番お世話になったのが
AV女優ではないでしょうか。(笑)

そんな今日は千里眼を持つグリーンがお勧めする
AV女優のベスト30をおおくりします。
(ポイント制にしています)

星ありす・・・・・97P
青木玲・・・・・・91P
竹内あい・・・・・88P
長谷川ちひろ・・・83P
香山聖・・・・・・77P
かすみ果穂・・・・69P
穂花・・・・・・・66P
明日花キララ・・・62P
立花里子・・・・・60P
鈴木麻奈美・・・・56P
恋小夜・・・・・・53P
佳山三花・・・・・51P
鮎川なお・・・・・49P
琴乃・・・・・・・47P
綾波セナ・・・・・46P
桜朱音・・・・・・40P
Rio・・・・・・・39P
大橋未久・・・・・37P
安来めぐ・・・・・36P
希崎ジェシカ・・・35P
希志あいの・・・・33P
南原香織・・・・・33P
古都ひかる・・・・32P
高瀬七海・・・・・30P
麻美ゆま・・・・・28P
如月カレン・・・・26P
滝沢美鈴・・・・・24P
宝来みゆき・・・・24P
初音みのり・・・・23P
綾瀬しおり・・・・21P


さあ辛抱しきれなくなってきている
おまい達、レンタルビデオ屋にレッツラゴー!


※写真で一言。
「早よ行かな、人妻達の女子学園がレンタルされてしまう!」

27b77462.jpg





2008⁄12⁄20 23:59 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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誰がチキン野郎やねんの巻き!


ど~も~、
グリールチキンで~す。
本日の日記ですが。

さ~て来週のサザエさんは?

グリーンです。

会社にグリルチキンが段ボール箱に
100袋ぶん届きました。
闇のピザ屋商人のSくんありがとう。

職場に届いたので帰るまで
デスクの下に置いていたんやけど。

勤務中な~んか今日は寒い
足下が冷えるな~っと思っていたら

冷凍しているグリルチキン100袋が
原因だった事に帰るまで気が付かなかったよ。。。

しらん間に足先が雪山登山をした時のように
感覚がなくなってた。。。

てなことでマジ美味しそうなので
さっそくいただきたいところですが!

職場のみんなにすべて奪われスッカラカンに
なってしまい、ボクちんの分はなくなって
しまいました。。。(泣)


職場で配ったみんな

ドミノ・・・もとい!
シカゴピザをよろしくお願いします。


さて、次回は

「波平、正社員と同じ食堂でメシを食うなと怒られる」
「カツオ、2ちゃんねる攻撃中の韓国に立ち向かう」
「グリーン、もう職場が限界、転職大作戦発動」

の三本です。
明日か明後日のブログは、
グリーンがおすすめするAV女優のランキングを
やる予定にしていますのでよろぴく。


ジャ~ンケ~ン チョキ~ッ!(^o^)y


※写真で一言。
「あっちで鳥を焼いてるおいがしてるよっ!」

c088ee11.jpg





2008⁄12⁄19 23:59 カテゴリー:未分類 comment(0) trackback(0)
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